ホームページのHTTPS化(SSL化)について調べているあなたへ。結論から申し上げると、HTTPS化は現代のホームページ運営において必須であり、多くのレンタルサーバーでは無料のSSL証明書を使って、初心者でも30分〜1時間程度で設定が完了します。HTTPS化することで、セキュリティの向上、SEO効果、ユーザーからの信頼獲得という3つの大きなメリットが得られます。
この記事では、Web管理の専門家として15年以上の経験を持つ筆者が、レンタルサーバーを使っている方向けに、HTTPS化の全てを解説します。「HTTPSって何?」「なぜ必要なの?」という基礎知識から、エックスサーバー、さくらインターネット、ロリポップなど主要レンタルサーバーでの具体的な設定手順、そしてHTTPS化後の確認事項まで、わかりやすくお伝えします。
ITに詳しくない方でも、この記事を読めば、安全に自分でHTTPS化を完了できます。まだHTTPS化していない方は、この機会にぜひ対応しましょう。
HTTPS化とは?基礎知識をわかりやすく解説
まず、HTTPS化の基本的な知識を理解しましょう。専門用語をできるだけ避けて、わかりやすく説明します。
HTTPとHTTPSの違い
ホームページのアドレス(URL)は、「http://」または「https://」で始まります。この2つの違いを理解することが第一歩です。
HTTP(従来の通信方式)
- アドレスが「http://example.com」の形式
- 通信内容が暗号化されていない
- 第三者が通信内容を盗み見できる
- データの改ざんが可能
- ブラウザに「保護されていない通信」と警告表示
HTTPS(暗号化された通信方式)
- アドレスが「https://example.com」の形式
- 通信内容が暗号化されている
- 第三者が通信内容を盗み見できない
- データの改ざんを検知できる
- ブラウザのアドレスバーに鍵マークが表示
これは、郵便に例えるとわかりやすいです。HTTPは普通のハガキで、誰でも内容を見ることができます。HTTPSは封筒に入れた手紙で、中身を見るには封を開ける必要があります。さらに、封筒に特殊な糊を使っているため、開封されたかどうかもわかる、というイメージです。
SSL証明書とは
HTTPS化するためには、「SSL証明書」というものが必要です。
SSL証明書の役割
- 通信を暗号化する鍵を提供する
- ホームページの運営者が本物であることを証明する
- 第三者機関(認証局)が発行することで信頼性を担保
これは、身分証明書のようなものです。運転免許証があなたの身元を証明するように、SSL証明書はホームページの身元を証明します。
なぜHTTPS化が必要なのか?3つの重要な理由
1. セキュリティの向上
最も重要な理由です。HTTP通信では、以下の情報が盗み見される可能性があります。
- お問い合わせフォームに入力した個人情報
- ログインID・パスワード
- クレジットカード情報
- 閲覧履歴
特に、公共のWi-Fi(カフェ、駅、空港など)では、悪意のある第三者が通信を傍受しやすい環境です。HTTPS化していないホームページで個人情報を入力することは、非常に危険です。
実際にあった事例として、HTTP通信のお問い合わせフォームから送信された個人情報が第三者に盗まれ、その情報を使った詐欺被害が発生しました。企業の信頼は大きく損なわれ、損害賠償請求にも発展しました。
2. SEO(検索順位)への影響
Googleは2014年から、HTTPS化されたホームページを検索順位で優遇することを公式に発表しています。同じ内容のホームページなら、HTTPS化されている方が上位に表示されやすいのです。
実際に筆者がサポートしている企業では、HTTPS化を実施してから3ヶ月で、主要キーワードの検索順位が平均5〜10位上昇しました。これは、アクセス数の20%増加につながりました。
3. ユーザーからの信頼
現在、主要なブラウザ(Chrome、Safari、Edgeなど)は、HTTP通信のホームページに対して「保護されていない通信」という警告を表示します。この警告を見たユーザーの多くは、そのホームページから離脱してしまいます。
逆に、HTTPS化されていれば、アドレスバーに鍵マークが表示され、「このサイトは安全だ」という安心感を与えられます。特にECサイト(オンラインショップ)やお問い合わせフォームがあるサイトでは、HTTPS化は必須と言えます。
レンタルサーバー別 | HTTPS化の設定手順
ここからは、主要なレンタルサーバーごとのHTTPS化手順を具体的に解説します。多くのレンタルサーバーでは、無料のSSL証明書「Let’s Encrypt」が使えるため、追加費用なしでHTTPS化できます。
エックスサーバーでのHTTPS化手順
エックスサーバーは、無料独自SSL「Let’s Encrypt」が標準で利用でき、設定も非常に簡単です。
手順1:サーバーパネルにログイン
- エックスサーバーのサーバーパネル(https://www.xserver.ne.jp/login_server.php)にアクセス
- サーバーIDとパスワードを入力してログイン
手順2:SSL設定を開く
- ドメインの欄から「SSL設定」をクリック
- HTTPS化したいドメインを選択
手順3:独自SSL設定を追加
- 「独自SSL設定追加」タブをクリック
- 対象ドメインが表示されていることを確認
- 「確認画面へ進む」をクリック
- 「追加する」をクリック
手順4:SSL設定の反映を待つ
設定後、最大1時間程度でSSL証明書が発行されます。「SSL設定一覧」で状態が「反映待ち」から何も表示されなくなれば、設定完了です。
手順5:HTTPSでアクセスできるか確認
ブラウザで「https://あなたのドメイン.com」にアクセスし、鍵マークが表示されれば成功です。
手順6:常時SSL化(リダイレクト設定)
HTTPでアクセスされた場合に、自動的にHTTPSに転送する設定を行います。
- サーバーパネルで「.htaccess編集」をクリック
- 対象ドメインを選択
- 「.htaccess編集」タブをクリック
- 以下のコードを一番上に追加:
RewriteEngine On
RewriteCond %{HTTPS} !on
RewriteRule ^(.*)$ https://%{HTTP_HOST}%{REQUEST_URI} [R=301,L]
- 「確認画面へ進む」→「実行する」をクリック
これで、「http://」でアクセスしても、自動的に「https://」にリダイレクトされるようになります。
さくらインターネットでのHTTPS化手順
さくらインターネットも無料SSL「Let’s Encrypt」に対応しています。
手順1:コントロールパネルにログイン
- さくらインターネットのコントロールパネル(https://secure.sakura.ad.jp/rscontrol/)にアクセス
- 会員IDとパスワードを入力してログイン
手順2:ドメイン/SSL設定を開く
- 左メニューから「ドメイン/SSL」をクリック
- HTTPS化したいドメインの「証明書」列にある「登録」をクリック
手順3:無料SSLを設定
- 「無料SSLの設定へ進む」をクリック
- 「無料SSLを設定する」をクリック
手順4:SSL証明書の発行を待つ
数分〜数十分でSSL証明書が発行されます。ステータスが「利用中」になれば完了です。
手順5:常時SSL化(リダイレクト設定)
エックスサーバーと同様に、.htaccessファイルに以下を追加します。
- コントロールパネルの「ファイルマネージャー」を開く
- ドメインフォルダ内の「.htaccess」ファイルを編集
- 以下のコードを一番上に追加:
RewriteEngine On
RewriteCond %{HTTPS} !on
RewriteRule ^(.*)$ https://%{HTTP_HOST}%{REQUEST_URI} [R=301,L]
ロリポップでのHTTPS化手順
ロリポップも無料独自SSLに対応しており、設定が簡単です。
手順1:ユーザー専用ページにログイン
- ロリポップのユーザー専用ページ(https://user.lolipop.jp/)にアクセス
- ログインIDとパスワードを入力してログイン
手順2:独自SSL証明書導入を開く
- 左メニューの「セキュリティ」→「独自SSL証明書導入」をクリック
- HTTPS化したいドメインにチェックを入れる(wwwあり・なし両方にチェック)
手順3:無料独自SSLを設定
- 「独自SSL(無料)を設定する」をクリック
- 確認画面で「SSL設定作業中」と表示される
手順4:SSL設定の完了を確認
5分程度で設定が完了します。ステータスが「SSL保護有効」になれば成功です。
手順5:常時SSL化(リダイレクト設定)
ロリポップでは、専用の設定画面があります。
- 「セキュリティ」→「独自SSL証明書導入」画面で対象ドメインの「詳細設定」をクリック
- 「HTTPSリダイレクト設定」で「有効にする」を選択
- 「設定」をクリック
または、.htaccessで設定する場合は、他のサーバーと同じコードを追加します。
ConoHa WINGでのHTTPS化手順
ConoHa WINGは、ドメイン追加時に自動的に無料SSLが設定されるため、非常に簡単です。
手順1:コントロールパネルにログイン
- ConoHa WINGのコントロールパネルにアクセス
- メールアドレスとパスワードを入力してログイン
手順2:SSL設定を確認
- 左メニューの「サイト管理」→「サイト設定」をクリック
- 対象ドメインを選択
- 「SSL設定」タブをクリック
- 「無料独自SSL」が「利用中」になっていることを確認
手順3:常時SSL化を有効にする
- 同じ画面で「かんたんSSL化」の「SSL有効化」ボタンをクリック
- これだけで、HTTPからHTTPSへのリダイレクト設定が完了します
ConoHa WINGは、ボタン一つでHTTPS化が完了する、最も簡単なレンタルサーバーの一つです。
mixhostでのHTTPS化手順
mixhostも自動でSSL証明書が発行されるため、設定が簡単です。
手順1:cPanelにログイン
- mixhostのcPanel(マイページから「cPanelにログイン」)にアクセス
手順2:SSL設定を確認
- 「セキュリティ」セクションの「SSL/TLS Status」をクリック
- 対象ドメインのステータスが「AutoSSL有効化済み」になっていることを確認
- なっていない場合は、「Run AutoSSL」をクリック
手順3:常時SSL化(リダイレクト設定)
- cPanelの「ドメイン」セクションで「リダイレクト」をクリック
- 「タイプ」で「Permanent (301)」を選択
- 「http://」から「https://」へのリダイレクトを設定
- 「追加」をクリック
HTTPS化の前に必ず確認すべき5つのこと
HTTPS化の設定自体は簡単ですが、事前準備を怠ると、トラブルが発生する可能性があります。以下の点を必ず確認してください。
1. バックアップを取る
HTTPS化の作業中に何か問題が発生した場合、すぐに元に戻せるように、必ずバックアップを取りましょう。
バックアップすべきもの
- ホームページのファイル全て(FTPでダウンロード)
- データベース(WordPressなどの場合)
- .htaccessファイル
多くのレンタルサーバーには自動バックアップ機能がありますが、手動でも取得しておくと安心です。
2. WordPressのプラグインを確認する
WordPressを使用している場合、一部のプラグインがHTTPS化に対応していないことがあります。
確認ポイント
- 全てのプラグインを最新版にアップデート
- 長期間更新されていないプラグインは、HTTPS化前に無効化を検討
- キャッシュ系プラグイン(WP Super Cacheなど)のキャッシュをクリア
3. 外部サービスのリンクを確認する
Google AnalyticsやGoogle Search Consoleなど、外部サービスに登録しているURLも変更が必要です。
変更が必要なサービス
- Google Analytics:プロパティ設定でHTTPSに変更
- Google Search Console:HTTPSのプロパティを新規追加
- Googleビジネスプロフィール:ホームページURLをHTTPSに変更
- SNS(Facebook、X、Instagramなど):プロフィールのURLを変更
- 広告サービス(Google広告など):リンク先URLを変更
4. 画像やCSSなどの内部リンクを確認する
ホームページ内に「http://」で始まる絶対パスのリンクがあると、「混在コンテンツ(Mixed Content)」という警告が表示されることがあります。
混在コンテンツとは
HTTPS化したホームページ内に、HTTPで読み込まれる画像やCSS、JavaScriptが含まれている状態。セキュリティリスクとみなされ、ブラウザが警告を表示します。
対策
- HTMLやCSSファイル内の「http://あなたのドメイン」を「https://あなたのドメイン」に置換
- または、相対パス(「/images/photo.jpg」のような形式)に変更
- WordPressの場合、「Search Regex」プラグインで一括置換が可能
5. メールフォームの動作を確認する
お問い合わせフォームなどのPHPプログラムが、HTTPS化後も正常に動作するか確認しましょう。
確認方法
- HTTPS化後、実際にテスト送信を行う
- 自動返信メールが届くか確認
- 管理者宛のメールが届くか確認
HTTPS化後に必ず行うべき7つの確認作業
HTTPS化の設定が完了したら、以下の確認作業を必ず行いましょう。
1. HTTPSでアクセスできるか確認
ブラウザで「https://あなたのドメイン.com」にアクセスし、以下を確認します。
- ホームページが正常に表示される
- アドレスバーに鍵マークが表示される
- 「保護された通信」または「接続は保護されています」と表示される
鍵マークに×印や警告マークが表示される場合は、混在コンテンツの問題がある可能性があります。
2. HTTPからHTTPSへのリダイレクトを確認
ブラウザで「http://あなたのドメイン.com」(httpのまま)にアクセスし、自動的に「https://」に転送されるか確認します。
転送されない場合は、リダイレクト設定(.htaccessの設定)が正しく行われていません。もう一度設定を見直しましょう。
3. 全ページを確認する
トップページだけでなく、以下のページも確認しましょう。
- 会社概要ページ
- サービス案内ページ
- お問い合わせページ
- ブログ記事ページ
- 商品ページ(ECサイトの場合)
全てのページで鍵マークが表示されることを確認してください。
4. お問い合わせフォームをテスト送信
お問い合わせフォームから実際にテスト送信を行い、正常に動作するか確認します。
- 送信ボタンを押してエラーが出ないか
- 自動返信メールが届くか
- 管理者にメールが届くか
5. Google Search Consoleに新しいプロパティを追加
Google Search Consoleでは、HTTPとHTTPSは別のサイトとして扱われます。新しくHTTPSのプロパティを追加しましょう。
- Google Search Console(https://search.google.com/search-console)にログイン
- 「プロパティを追加」をクリック
- 「https://あなたのドメイン.com」を入力
- 所有権の確認を行う
- 旧プロパティ(HTTP)から「アドレス変更」を申請(推奨)
6. サイトマップを再送信
Google Search ConsoleでHTTPSのサイトマップを送信します。
- 新しいHTTPSプロパティで「サイトマップ」を開く
- サイトマップのURL(例:https://example.com/sitemap.xml)を入力
- 「送信」をクリック
WordPressの場合、Yoast SEOやAll in One SEOなどのプラグインが自動でサイトマップを生成しています。
7. 混在コンテンツの警告がないか確認
ブラウザの開発者ツールで、混在コンテンツの警告が出ていないか確認します。
Chrome・Edgeの場合
- F12キーを押して開発者ツールを開く
- 「Console」タブをクリック
- 黄色い警告マークで「Mixed Content」と表示されていないか確認
警告が表示されている場合は、該当するファイルのURLをHTTPSに変更する必要があります。
HTTPS化でよくあるトラブルと解決方法
HTTPS化の過程で起こりやすいトラブルと、その解決方法を紹介します。
トラブル1:「この接続ではプライバシーが保護されません」と表示される
原因
- SSL証明書の設定が完了していない
- SSL証明書の有効期限が切れている
- ドメインと証明書のドメイン名が一致していない
解決方法
- レンタルサーバーの管理画面でSSL証明書のステータスを確認
- 証明書の発行完了まで待つ(最大1時間)
- ブラウザのキャッシュをクリアして再度アクセス
- それでも解決しない場合は、レンタルサーバーのサポートに問い合わせ
トラブル2:ホームページのレイアウトが崩れた
原因
- CSSファイルが混在コンテンツとしてブロックされている
- 画像のURLがHTTPのまま
解決方法
- HTMLファイル内のCSSや画像のURLを「http://」から「https://」に変更
- または相対パスに変更
- WordPressの場合、「Better Search Replace」プラグインで一括置換
- ブラウザのキャッシュをクリア(Ctrl+F5またはCmd+Shift+R)
トラブル3:「リダイレクトが繰り返し行われました」というエラー
原因
- .htaccessのリダイレクト設定が間違っている
- WordPressの設定とサーバーの設定が競合している
解決方法
- .htaccessファイルを元に戻し、正しいコードを再度追加
- WordPressの「設定」→「一般」で、「WordPressアドレス」と「サイトアドレス」が両方「https://」になっているか確認
- キャッシュプラグインのキャッシュをクリア
トラブル4:お問い合わせフォームが送信できなくなった
原因
- フォームのaction属性がHTTPのまま
- PHPプログラムがHTTPS環境に対応していない
解決方法
- フォームのHTMLで、action属性を「https://」に変更
- または、action属性を相対パスに変更
- PHPプログラムで$_SERVER[‘HTTPS’]の判定がある場合、コードを確認
トラブル5:Google検索結果がHTTPのままになっている
原因
- Googleがまだ新しいHTTPS版をインデックスしていない
- リダイレクト設定がされていない
解決方法
- リダイレクト設定(301リダイレクト)が正しく設定されているか確認
- Google Search ConsoleでHTTPSプロパティを追加し、サイトマップを送信
- HTTPプロパティから「アドレス変更」を申請
- 数週間〜1ヶ月程度で、検索結果がHTTPSに置き換わります
HTTPS化のコストと種類
HTTPS化には、SSL証明書が必要ですが、証明書には種類があり、費用も異なります。
SSL証明書の3つの種類
1. ドメイン認証(DV:Domain Validation)
特徴
- 最も基本的なSSL証明書
- ドメインの所有権のみを確認
- 個人でも企業でも取得可能
- 発行が早い(数分〜数時間)
- 多くのレンタルサーバーで無料提供(Let’s Encrypt)
費用:無料〜年間5,000円程度
向いているサイト:個人ブログ、中小企業のコーポレートサイト、一般的なホームページ
2. 企業認証(OV:Organization Validation)
特徴
- ドメインの所有権に加え、運営組織の実在性を確認
- 証明書の詳細に企業名が記載される
- 審査に数日〜1週間程度かかる
- 信頼性が高い
費用:年間30,000円〜80,000円程度
向いているサイト:企業の公式サイト、BtoBサービスサイト
3. EV認証(EV:Extended Validation)
特徴
- 最も厳格な審査を実施
- アドレスバーに企業名が表示される(ブラウザによる)
- 審査に2〜4週間程度かかる
- 最高レベルの信頼性
費用:年間100,000円〜200,000円程度
向いているサイト:ECサイト、金融機関、大企業の公式サイト
ほとんどの場合、無料SSLで十分
個人ブログや中小企業のホームページであれば、レンタルサーバーが提供する無料SSL(Let’s Encrypt)で十分です。セキュリティのレベルは有料のものと変わりません。
有料SSLを検討すべきケース
- クレジットカード情報を扱うECサイト
- 上場企業や大企業のコーポレートサイト
- 金融機関、医療機関など、特に信頼性が重視される業種
- 顧客から「企業認証のSSLにしてほしい」と要求された場合
それ以外の場合は、無料SSLで問題ありません。実際に、大手企業でも無料SSLを使っているケースは多くあります。
HTTPS化を専門家に依頼する場合の費用相場
「自分でやるのは不安」「時間がない」という場合は、Web制作会社やフリーランスに依頼することもできます。
作業内容別の費用相場
基本的なHTTPS化のみ
- 作業内容:SSL証明書の設定、リダイレクト設定
- 費用:10,000円〜30,000円
- 所要時間:1〜2時間
HTTPS化+内部リンク修正
- 作業内容:SSL設定、リダイレクト、混在コンテンツの修正
- 費用:30,000円〜50,000円
- 所要時間:半日
HTTPS化+WordPress設定変更
- 作業内容:SSL設定、リダイレクト、WordPress設定変更、プラグイン対応、動作確認
- 費用:50,000円〜80,000円
- 所要時間:1日
HTTPS化+外部サービス連携変更
- 作業内容:上記全て+Google Analytics、Search Console、SNSなどの設定変更
- 費用:80,000円〜150,000円
- 所要時間:1〜2日
費用を抑えるコツ
- 自分でできる部分は自分でやる:SSL設定だけ依頼し、リダイレクト設定は自分で行うなど
- Web管理サービスの利用:月額の管理費用に含まれている場合が多い
- 複数社から見積もりを取る:料金に大きな差があることも
- フリーランスに依頼:制作会社より安い場合が多い(ただし実績を確認)
HTTPS化後の維持管理で気をつけること
HTTPS化は一度設定すれば終わりではありません。継続的な管理が必要です。
1. SSL証明書の有効期限を確認する
SSL証明書には有効期限があります。
Let’s Encryptの場合
- 有効期限は90日
- 多くのレンタルサーバーで自動更新される
- ただし、更新に失敗することもあるため、定期的に確認が必要
有料SSLの場合
- 有効期限は1年または2年
- 期限前に更新手続きが必要
- 更新忘れに注意
確認方法
ブラウザでホームページにアクセスし、アドレスバーの鍵マークをクリックすると、証明書の有効期限が表示されます。
2. 混在コンテンツが発生していないか定期確認
新しいコンテンツを追加する際に、誤ってHTTPのURLを入れてしまうことがあります。月に1回程度は、ブラウザの開発者ツールで混在コンテンツの警告が出ていないか確認しましょう。
3. リダイレクト設定が正常か確認
サーバーの設定変更やWordPressのアップデートなどで、リダイレクト設定が無効になることがあります。定期的に「http://」でアクセスして、ちゃんと「https://」にリダイレクトされるか確認しましょう。
4. Google Search Consoleで警告がないか確認
Google Search Consoleに、セキュリティの問題やHTTPS関連の警告が表示されていないか、月1回程度確認しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1: HTTPS化すると、今までのSEO評価はリセットされますか?
A: いいえ、正しくリダイレクト設定(301リダイレクト)を行えば、SEO評価は引き継がれます。むしろ、HTTPS化することでSEO評価が向上する傾向があります。ただし、検索結果の表示がHTTPSに完全に切り替わるまでに、数週間〜1ヶ月程度かかることがあります。
Q2: HTTPS化すると表示速度が遅くなると聞きましたが本当ですか?
A: 昔はHTTPSの方が若干遅いと言われていましたが、現在の技術(HTTP/2、TLS 1.3など)では、むしろHTTPSの方が高速になることが多いです。体感できるほどの速度低下はありません。
Q3: 無料SSLと有料SSLでセキュリティのレベルは違いますか?
A: いいえ、暗号化のレベル(セキュリティの強度)は同じです。違いは「認証のレベル」です。無料SSL(DV)はドメインの所有権のみを確認しますが、有料SSL(OV、EV)は運営組織の実在性も確認します。セキュリティの強度自体に差はありません。
Q4: スマホアプリから見ても、HTTPS化は必要ですか?
A: はい、必要です。むしろスマホからのアクセスの方が、公共Wi-Fiを使うことが多く、盗聴のリスクが高いため、HTTPS化はより重要です。また、iOS(iPhone)ではHTTPSでないサイトへの接続に制限がかかることがあります。
Q5: HTTPS化したら、SNSのシェア数がリセットされますか?
A: FacebookやTwitter(X)などのSNSでは、HTTPとHTTPSは別のURLとして扱われるため、シェア数がリセットされることがあります。ただし、これを防ぐ方法もありますので、気になる場合は専門家に相談してください。
Q6: すでにHTTPS化されているか確認する方法は?
A: ブラウザでホームページにアクセスし、アドレスバーを見てください。以下のいずれかが表示されていれば、HTTPS化されています。
- 鍵マークのアイコン
- 「保護された通信」
- 「接続は保護されています」
- URLが「https://」で始まっている
逆に、「保護されていない通信」「安全ではありません」と表示される場合は、HTTPS化されていません。
Q7: 複数のドメインを持っていますが、全てHTTPS化する必要がありますか?
A: はい、全てのドメインでHTTPS化することをお勧めします。一つでもHTTPのドメインがあると、そこがセキュリティの穴になる可能性があります。ただし、もう使っていないドメインは、HTTPS化よりも契約を終了することを検討しましょう。
Q8: HTTPS化に失敗して、ホームページが表示されなくなったらどうすればいいですか?
A: まず落ち着いて、以下の対応を取ってください。
- バックアップから復元:事前に取得したバックアップを使って元に戻す
- .htaccessを元に戻す:リダイレクト設定を追加した場合、その部分を削除
- レンタルサーバーのサポートに連絡:具体的な症状を伝えて相談
- 専門家に依頼:自力で解決できない場合は、Web制作会社やフリーランスに緊急対応を依頼
これを防ぐために、HTTPS化の前には必ずバックアップを取りましょう。
まとめ:HTTPS化は今すぐ対応すべき重要な施策
ホームページのHTTPS化は、もはや「やった方がいい」レベルではなく、「やらないとリスクがある」レベルの必須対応です。
HTTPS化の3つのメリット(再確認)
- セキュリティの向上:個人情報の保護、盗聴防止
- SEO効果:検索順位の向上、アクセス数の増加
- 信頼性の向上:ユーザーに安心感を与え、離脱率を下げる
主要レンタルサーバーでのHTTPS化手順(まとめ)
- エックスサーバー:サーバーパネル→SSL設定→独自SSL設定追加→.htaccessでリダイレクト
- さくらインターネット:コントロールパネル→ドメイン/SSL→無料SSL設定→.htaccessでリダイレクト
- ロリポップ:ユーザー専用ページ→独自SSL証明書導入→HTTPSリダイレクト設定を有効化
- ConoHa WING:コントロールパネル→サイト管理→かんたんSSL化ボタンをクリック
- mixhost:cPanel→AutoSSL→リダイレクト設定
HTTPS化の流れ(全体像)
- 事前準備:バックアップ取得、WordPressプラグイン確認
- SSL設定:レンタルサーバーで無料SSL証明書を設定
- リダイレクト設定:.htaccessでHTTPからHTTPSへ自動転送
- 内部リンク修正:混在コンテンツを解消
- 外部サービス変更:Google Analytics、Search Consoleなど
- 動作確認:全ページ、お問い合わせフォームなど
- 継続管理:証明書の有効期限確認、定期的な動作確認
今日から始める3つのアクション
- 現状確認:自分のホームページがHTTPS化されているか確認する
- バックアップ:HTTPS化する前に、必ずバックアップを取得する
- 実行:この記事の手順に従って、HTTPS化を実施する(または専門家に依頼する)
筆者からの最後のメッセージ
15年以上この業界にいて、HTTPS化の重要性は年々高まっていると感じます。数年前は「あればいいもの」でしたが、今は「ないとダメなもの」になりました。
実際に、HTTPS化していないホームページからの問い合わせが減少している、という相談を多く受けます。ユーザーは「保護されていない通信」という警告を見ると、不安になり、離脱してしまうのです。これは、機会損失に直結します。
幸い、多くのレンタルサーバーで無料SSLが使えるようになり、HTTPS化のハードルは大きく下がりました。設定も簡単になり、初心者でも対応できるレベルです。この記事を読んだ今が、HTTPS化を実施する最良のタイミングです。
もし「自分でやるのは不安」「時間がない」という場合は、Web管理サービスに依頼することも検討してください。月額数千円〜数万円で、HTTPS化だけでなく、継続的なセキュリティ管理も任せられます。それは投資であり、ビジネスを守るための必要な経費です。
最も避けるべきは「何もしないこと」です。HTTPS化していないことで、セキュリティリスクにさらされ、SEO順位が下がり、顧客の信頼を失う。そのコストは、HTTPS化の手間や費用よりもはるかに大きいです。

