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2026.01.13

AIでホームページを作ったら「使い物にならない」と感じる経営者が増えている

「AIなら5分でホームページが作れる」という広告を見て試してみたものの、出来上がったサイトを見て愕然とした経験はないだろうか。実際、私のところにも「AIで作ったホームページが酷すぎて困っている」という相談が月に数件は届く。

2024年から2025年にかけて、ChatGPTをはじめとする生成AI技術の普及により、誰でも簡単にホームページが作れるサービスが次々と登場した。Wix ADI、Jimdo、10Plate、Hocusなど、AIを謳うサービスは数十種類を超える。確かに、質問に答えるだけでサイトが自動生成されるのは画期的だ。

しかし、現実はそう甘くない。AIが生成したホームページをそのまま使って成功している小規模事業者は、私が知る限りほとんどいない。むしろ「急いで安く作りたかったのに、結局作り直すことになって二度手間になった」という声の方が圧倒的に多い。

この記事では、AIホームページの何が問題なのか、なぜ「酷い」と感じるのか、そして今すでにAIで作ってしまった場合にどう対処すればいいのかを、実際の相談事例をもとに解説していく。

AIホームページが「酷い」と感じる5つの典型パターン

デザインが没個性的で「どこかで見たような」サイトになる

AIホームページの最大の問題は、同じサービスを使った複数のサイトがほぼ同じに見えるという点だ。私が実際に確認した例では、同じAI生成サービスを使った美容室、整体院、税理士事務所のサイトが、写真と文字だけ違って構成とレイアウトがほぼ同一だった。

これは技術的な限界でもある。AIは過去の膨大なウェブサイトのデータを学習して「平均的に良いとされるデザイン」を生成する。結果として、誰が使っても似たようなテンプレートが出力される仕組みになっている。

教科書通りなら「シンプルで洗練されたデザイン」となるはずだが、現実には「うちの会社の個性が何も伝わらない」という不満につながる。特に競合が多い業種では、この没個性さが致命的になる。地域の工務店が5社あって、全部同じようなサイトだったら、顧客はどこで選べばいいのか分からない。

文章が不自然で業種の専門性が感じられない

AI生成の文章には特有の「浮いた感じ」がある。一見それらしく見えても、よく読むと意味が通じない、同じ表現が繰り返される、業種特有の言い回しが使われていないといった問題が頻発する。

ある法律事務所から相談を受けた際、AIが生成した文章を見せてもらったことがある。そこには「お客様の法律問題を解決します」という表現があったが、法律業界では通常「依頼者」という言葉を使う。また「訴訟も対応可能です」という曖昧な表現も、専門家が書く文章としては不適切だ。実際には「民事訴訟の代理人業務」など、具体的な業務範囲を明示する必要がある。

こうした業界の「お作法」をAIは理解していない。結果として、その道のプロが書いた文章には見えず、サイトを見た人に「本当に信頼できる事務所なのか」という疑念を抱かせてしまう。

さらに厄介なのは、AIが生成した文章が「どこかで見たような内容」になってしまう点だ。SEO的にも、他のサイトと似た文章は検索エンジンに評価されにくい。Googleは独自性のあるコンテンツを重視するため、AI生成の画一的な文章では上位表示が難しくなる。

選ばれた画像が業種やサービスと合っていない

AIは自動で画像を選んでくれるが、その選択が的外れなケースが非常に多い。特に問題なのが、海外の素材写真ばかりが使われてしまうことだ。

地方都市の小さな飲食店のサイトに、明らかに欧米のレストランの写真が使われていたらどうだろうか。訪問者は「この店、本当に日本にあるのか」と不安になる。実際、ある居酒屋の経営者から「AIで作ったサイトに載っている料理の写真が、うちの料理と全然違う。お客さんに『写真詐欺だ』と言われた」という相談を受けたこともある。

AIは「飲食店」「料理」というキーワードから一般的な料理写真を選ぶが、その店の実際のメニューや雰囲気を理解しているわけではない。和食の店なのにパスタの写真が表示される、カジュアルな店なのに高級レストランのような写真が使われる、といった齟齬が生じる。

写真は文章以上に第一印象を左右する要素だ。どれだけ文章が良くても、写真が合っていなければ信頼は得られない。

スマートフォンで見たときのレイアウトが崩れている

現在、ウェブサイトへのアクセスの約7割がスマートフォン経由だと言われている。にもかかわらず、AI生成サイトの多くはスマホ表示での不具合を抱えている

具体的には、文字が小さすぎて読めない、画像がはみ出している、ボタンが押せない位置にある、横スクロールが発生する、といった問題が起こる。特に多いのが、PCでは綺麗に見えるのにスマホで見ると文字と画像が重なってしまうケースだ。

ある製造業の会社では、AIで作ったサイトのお問い合わせボタンがスマホ画面からはみ出していて、実際にはタップできない状態になっていた。これでは、せっかく興味を持ってくれた見込み客を逃してしまう。気づいたきっかけは「問い合わせフォームが表示されない」という電話を受けたことだったという。

レスポンシブデザインは技術的には確立されているが、AIが生成するコードが必ずしもその基準を満たしているわけではない。むしろ、複雑な計算式やレイアウト指定が入り組んでいるため、特定の画面サイズで表示が崩れることがある。

お問い合わせフォームが機能していない

これは最も深刻な問題だ。フォームは設置されているように見えても、実際には送信できない、あるいは送信されてもメールが届かないというケースがある。

ある歯科医院では、AIで作ったサイトを公開して1ヶ月経っても予約が一件も入らず、おかしいと思って調べたところ、フォームから送信したメールがすべてサーバーのエラーで消えていたことが判明した。その間に何人の患者候補を逃したのか、想像するだけで恐ろしい。

フォームの動作確認は必須だが、多くの経営者はAIが生成したものをそのまま信じて、実際にテスト送信をしていない。送信ボタンを押したら「送信完了」と表示されるが、実際には裏側で処理が失敗しているというパターンもある。

さらに、フォームの設定ミスで、送信されたメールが迷惑メールフォルダに入ってしまい、経営者が気づかないということもある。これも実質的には「機能していない」のと同じだ。

なぜAIはビジネスに合ったサイトを作れないのか

AIには「文脈」を理解する能力がない

AIがホームページを作る際、入力されるのは「業種」「会社名」「提供サービス」といった基本情報だけだ。しかし、実際にビジネスに合ったサイトを作るには、もっと深い情報が必要になる。

例えば、同じ「リフォーム会社」でも、高齢者向けのバリアフリー改修を専門にしているのか、若い夫婦向けのおしゃれなリノベーションを得意としているのかで、サイトのトーンもデザインも全く変わる。AIはこうした「誰に向けて、何を伝えるべきか」という戦略的な判断ができない

人間のウェブデザイナーなら、最初の打ち合わせで「どんなお客様が多いですか」「競合との違いは何ですか」「どんなイメージを持ってもらいたいですか」といった質問をする。その答えをもとに、ターゲット顧客に響くデザインや言葉を選んでいく。AIにはこのプロセスが欠けている。

地域性や競合環境を考慮できない

地域ビジネスにとって、地域性は非常に重要な要素だ。同じ飲食店でも、東京の繁華街と地方都市の住宅街では、求められるサイトの雰囲気が違う。

ある地方の工務店の経営者は「うちは地元密着で、お客さんは近所の知り合いからの紹介がほとんど。だからホームページも親しみやすい感じにしたかったのに、AIが作ったのは都会的でクールなデザインで、うちのイメージと全然違った」と話していた。

また、競合の状況も重要だ。同じ地域に似たような会社が複数あるなら、差別化ポイントを明確に打ち出す必要がある。しかしAIは、その地域に何社の競合がいて、それぞれがどんな特徴を打ち出しているかを調べることはできない。結果として、競合と同じような「普通のサイト」になってしまう。

実績やオリジナリティを表現できない

ホームページで最も重要なのは「なぜあなたの会社を選ぶべきなのか」を伝えることだ。そのためには、具体的な実績、お客様の声、独自の強みなどを盛り込む必要がある。

しかしAIが生成する文章は、どうしても一般論になってしまう。「丁寧な対応」「高い技術力」「お客様第一」といった、どの会社でも言えるような抽象的な言葉が並ぶ。具体的な数字、固有名詞、独自のエピソードといった「その会社ならでは」の情報は入らない。

ある税理士事務所では、創業50年の歴史と、地域企業の顧問先200社という実績が大きな強みだったが、AIが生成したサイトにはそれらの情報が一切反映されていなかった。単に「税務申告から経営相談まで幅広く対応」という、新人税理士でも書けるような内容だけが記載されていた。

実際に起きたAIホームページの失敗事例

美容室Aの事例 イメージと実態のギャップで予約キャンセルが発生

都内で小さな美容室を経営するAさん(40代女性)は、AIホームページ作成サービスを使ってサイトを公開した。サービスの質問に答えるだけで、30分ほどでサイトが完成したという。

しかし公開後、予約が入ってもキャンセルされるケースが増えた。理由を聞くと「サイトの写真を見て高級サロンだと思って予約したが、実際は小さな店だと知って驚いた」というものだった。AIが選んだ写真は、広々とした高級サロンの内装写真で、Aさんの店とはまったく雰囲気が違っていた。

Aさんは慌ててスマホで店内を撮影し、自分で写真を差し替えた。その後はキャンセルが減り、「アットホームな雰囲気が良い」という予約が増えたという。AIが選ぶ「良い写真」と、顧客が求める「実態に合った写真」は違うということだ。

製造業B社の事例 専門用語の誤用で信頼を失った

精密部品を製造するB社(従業員8名)は、新規取引先を増やすためにホームページが必要だと考え、AIサービスを利用した。しかし公開後、既存の取引先から「サイトに書いてある技術用語が間違っている」と指摘を受けた。

具体的には、加工精度の単位表記が誤っていた。「±0.01mm」と書くべきところが「0.01mm以下」となっており、意味が変わってしまっていた。また、対応可能な材質の説明も不正確で、実際には扱っていない材質が記載されていた。

B社の社長は「恥ずかしい思いをした。AIが作った文章をそのまま信じて、自分で確認しなかったのが失敗だった」と振り返る。結局、専門のライターに依頼して全文を書き直すことになり、AIサービスの費用と合わせて二重のコストがかかった

整体院C院の事例 予約フォームの不具合で新規患者を逃した

開業したばかりの整体院C院は、予算を抑えるためにAIでホームページを作成した。サイト自体は問題なく公開できたが、1ヶ月経っても予約が一件も入らなかった。

不審に思った院長が友人に頼んで予約フォームをテストしてもらったところ、送信ボタンを押しても「エラーが発生しました」と表示されることが判明した。問題は、AIが生成したフォームのメール送信設定が不完全だったことだった。

急いでAIサービスのサポートに連絡したが、対応に1週間かかった。その間、何人の見込み患者を逃したか分からない。院長は「フォームの動作確認は絶対に必要。自分でテスト送信するだけでなく、別の人にも試してもらうべきだった」と語る。

飲食店Dの事例 料理写真の不一致でクレームに

地方都市で和食店を営むDさんは、AIで作ったサイトを公開後、来店客から「写真と違う」というクレームを受けた。サイトに掲載されていたのは、AIが自動選択した洋風の料理写真だった。

Dさんは急いで自分のスマホで料理を撮影し、写真を差し替えた。「プロのカメラマンが撮ったような綺麗な写真じゃなくても、実際の料理が分かる写真の方が信頼されると実感した」とDさんは話す。

差し替え後は「写真通りで美味しかった」という口コミが増え、リピーターも増加した。見栄えの良い写真よりも、実物に近い写真の方が、顧客の期待と実際のギャップを減らせるという好例だ。

AIホームページの構造的な問題点

SEO対策が不十分で検索結果に表示されない

AIが生成したサイトの多くは、SEO(検索エンジン最適化)の基本的な設定が抜けている。タイトルタグが適切に設定されていない、メタディスクリプションが空欄、見出しタグの使い方が間違っている、といった問題が頻発する。

ある工務店では、AIで作ったサイトを公開して3ヶ月経っても、「地域名 リフォーム」で検索してもまったく表示されなかった。調べてみると、タイトルタグに地域名が入っておらず、会社名だけが表示されていた。これではGoogleが地域ビジネスとして認識できない。

また、AI生成の文章は他のサイトと似た内容になりやすく、Googleからの評価が低くなる傾向がある。独自性のあるコンテンツを作らなければ、検索上位に表示されることは難しい。

ページの表示速度が遅く離脱率が高い

AIが生成するコードは、必ずしも最適化されているわけではない。不要なスクリプトが大量に読み込まれていたり、画像の圧縮が不十分だったりして、ページの表示速度が遅くなることがある。

Googleの調査によると、ページの表示に3秒以上かかると、訪問者の半数以上が離脱するという。特にスマートフォンでは、通信環境によって表示が遅くなりやすい。せっかく検索結果からアクセスしてきた人を、表示の遅さで逃してしまうのは大きな損失だ。

ある小売店では、AIで作ったサイトのアクセス解析を見たところ、平均滞在時間が10秒以下だった。ほとんどの人が、ページが表示される前に離脱していたのだ。サーバーの設定を見直し、画像を圧縮し直すことで、ようやく改善できたという。

更新や修正が難しく柔軟性がない

AIが生成したサイトは、後から内容を変更しようとしても、どこをどう修正すればいいのか分かりにくいという問題がある。コードが複雑で、専門知識がないと手を出せない構造になっていることが多い。

ある士業の事務所では、料金表を変更したかったが、AIサービスの管理画面では変更できず、HTMLを直接編集する必要があった。しかし事務所のスタッフは誰もHTMLの知識がなく、結局サポートに依頼することになった。対応まで1週間かかり、その間は古い料金が表示され続けた。

「ちょっとした文章の修正すら自分でできない」というのは、ビジネスの変化に対応する上で大きな制約になる。キャンペーンを打ちたい、新サービスを追加したい、といったときに、すぐに対応できないのは機会損失につながる。

セキュリティ面での不安

AIが生成したコードに脆弱性が含まれていても、それをチェックする仕組みがないという問題もある。特に、お問い合わせフォームなど、外部からの入力を受け付ける部分は、セキュリティ上の注意が必要だ。

実際、AIで作ったサイトが不正アクセスを受けて、スパムメールの送信元にされてしまった事例も報告されている。サイトの管理者は気づかないまま、自社のドメインが迷惑メール送信に使われ、最終的にドメインがブラックリストに載ってしまった。

セキュリティアップデートも自動では行われないことが多く、手動での対応が必要になる。しかし多くの小規模事業者は、そもそもセキュリティアップデートが必要だということすら知らない。

すでに作ってしまったAIホームページの改善方法

最優先で確認すべき3つのポイント

もしすでにAIでホームページを作ってしまったなら、まず以下の3点を最優先で確認してほしい。

基本情報の正確性を徹底的にチェックする。会社名、住所、電話番号、メールアドレス、営業時間、定休日など、すべての情報が正確か確認する。特に住所や電話番号の間違いは、見込み客を逃すだけでなく、信頼を損なう。

お問い合わせフォームの動作確認を必ず行う。自分でテスト送信するだけでなく、できれば別の人にも試してもらう。送信後、実際にメールが届くか、迷惑メールフォルダに入っていないかも確認する。スマホからも送信テストを行い、エラーが出ないか確認することも重要だ。

スマートフォンでの表示を複数の端末で確認する。iPhoneとAndroidの両方、できれば画面サイズの異なる機種で見てみる。文字が読めるか、ボタンが押せるか、画像がはみ出していないか、横スクロールが発生していないかをチェックする。

自分でできる応急的な修正

AIサービスによっては、管理画面から文章や画像を変更できる場合がある。その場合、以下の修正を優先的に行うべきだ。

写真の差し替えは必須だ。業種やサービスと関係のない素材写真が使われているなら、たとえスマホで撮影した写真でも構わないので、実際の店舗、商品、スタッフの写真に変更する。プロのカメラマンが撮ったような完璧な写真でなくても、本物の写真の方が信頼される。

トップページの文章は自分の言葉で書き直す。AIが生成した文章は削除して、自社の強みや特徴を具体的に書く。「創業30年」「施工実績500件」「地域密着」といった具体的な情報を入れると、説得力が増す。専門用語の使い方が合っているかも、必ず確認する。

サービス説明ページも重要だ。一般的な説明ではなく、自社ならではの特徴、他社との違い、選ばれる理由を明確に書く。価格を公開できるなら、料金表も載せる。「要相談」だけでは、見込み客は問い合わせをためらう。

部分的にプロに依頼するという選択肢

全部を作り直すのは予算的に厳しいという場合、重要なページだけプロに依頼するという方法もある。

トップページだけプロに作り直してもらうのは、費用対効果の高い選択だ。トップページは訪問者が最初に目にするページで、第一印象を左右する。ここだけでもプロのデザインにすれば、サイト全体の印象が大きく変わる。費用は5万円から15万円程度が相場だ。

ライティングだけ依頼するという方法もある。デザインはAI生成のままでも、文章をプロのライターに書き直してもらえば、専門性と説得力が増す。特に士業や医療など、専門知識が求められる業種では効果的だ。費用は1ページあたり2万円から5万円程度だ。

SEO対策だけプロに診断してもらうのも有効だ。現状のサイトの問題点を指摘してもらい、タイトルタグや見出しの修正方法を教えてもらう。その後の修正は自分で行えば、費用を抑えられる。診断だけなら3万円から10万円程度で依頼できる。

作り直すべきかの判断基準

部分的な修正では対応できず、全面的に作り直した方が良いケースもある。以下に当てはまる場合は、作り直しを検討すべきだ。

ビジネスに実害が出ている場合は緊急性が高い。問い合わせが減った、顧客から信頼性を疑われた、実際にクレームが来た、といった状況なら、一刻も早く対処する必要がある。ホームページが営業の足を引っ張っているのは、明らかに損失だ。

競合と比較して明らかに劣っている場合も、作り直しを考えるべきだ。同業他社のサイトと見比べて、デザインの質や情報量で大きく差がついているなら、顧客は競合に流れる。「ホームページで選ばれない」という状況は、長期的に大きなコストになる。

今後の事業展開を見据えている場合も、投資として作り直す価値がある。新規事業を始める、別の地域に展開する、オンライン販売を始める、といった計画があるなら、それに対応できるサイトが必要だ。AI生成のサイトでは、こうした拡張性がない。

SEOで成果が全く出ていない場合も、根本的な見直しが必要だ。3ヶ月以上経っても検索結果に表示されない、検索からのアクセスがほとんどないという状況なら、サイトの構造自体に問題がある可能性が高い。

AI制作とプロの制作、どう判断すべきか

AI制作が許容できる条件

AI制作を選んでも致命的な問題にならないケースも、確かに存在する。ただし、それには条件がある。

あくまで一時的な使用と割り切れる場合だ。例えば、イベントの告知サイトを急いで作りたい、新サービスのテスト期間だけ使いたい、といった短期的な用途なら、AI制作でも問題ない。ただし、これを本格的なサイトとして長期間使うつもりはないという前提が必要だ。

ホームページが営業ツールとして重要でない業種なら、AI制作でも許容範囲かもしれない。既存顧客との取引がメインで、新規顧客はほぼ紹介のみ、ホームページは会社情報が載っていれば十分、という状況なら、過度な投資は不要だ。

自分で修正する知識と時間がある場合も、AI制作をベースに改良していく方法はある。HTMLやCSSの知識があり、生成されたサイトを自分で手直しできるなら、AI制作をたたき台として使うのは効率的だ。

ただし、これらの条件に当てはまらない場合、つまりホームページが重要な営業ツールになる業種で、長期的に使う予定があり、自分で修正する知識もないという場合は、最初からプロに依頼した方が賢明だ。

プロに依頼すべき業種と状況

以下の業種や状況では、AI制作のリスクが高すぎるため、最初からプロに依頼することを強く勧める。

士業(弁護士、税理士、社労士など)は、信頼性が命だ。ホームページの質が、専門家としての信頼に直結する。専門用語の誤用や不正確な情報は、致命的なダメージになる。費用は30万円から80万円が相場だが、これは必要な投資だと考えるべきだ。

医療機関(クリニック、歯科医院など)も同様だ。医療情報の正確性は法的な問題にもなりうる。また、患者は「このクリニックは信頼できるか」をホームページで判断する。安っぽいサイトでは、患者は来ない。

不動産や建築・リフォームは、高額な取引になる業種だ。顧客は「この会社に数百万円の工事を任せて大丈夫か」をホームページで見極める。施工事例の見せ方、実績の伝え方、信頼感の演出など、戦略的なサイト設計が必要だ。

BtoB企業も、プロに依頼すべきだ。取引先企業は、ホームページで会社の規模や信頼性を判断する。AI生成の画一的なサイトでは、「この会社は大丈夫か」と不安を与える。特に製造業や卸売業では、技術力や実績を正確に伝える必要がある。

競合が多い業種では、差別化が必須だ。飲食、美容、小売など、地域に同業他社が複数ある場合、ホームページで選ばれる理由を明確に示さなければならない。AIの画一的なサイトでは、競合に埋もれてしまう。

費用対効果をどう考えるか

「プロに依頼すると高い」という不安はもっともだ。しかし、ホームページは一度作れば数年は使えるツールだ。年間コストで考えれば、決して高くはない。

例えば、30万円でプロにサイトを作ってもらい、3年間使ったとする。年間10万円、月額約8,000円の投資だ。この投資で、月に1件でも余計に問い合わせが増えれば、十分に元が取れる計算になる。

一方、AI制作は初期費用こそ安い(月額数千円から2万円程度)が、成果が出なければ無駄な出費になる。さらに、途中で作り直すことになれば、結局二重の出費になり、トータルではプロに依頼した方が安かったということになりかねない。

実際、私が相談を受けた事業者の中には、AI制作で2万円、その後プロに作り直しを依頼して50万円、合計52万円かかったというケースがある。最初から50万円で依頼していれば、2万円と時間を節約できた。

ホームページは「あれば良い」というものではなく、ビジネスの成果につながるかどうかで判断すべきだ。成果につながらないサイトは、たとえ安くても無駄な投資だ。

AIホームページのリスクを最小化するためのチェックリスト

もしAI制作を選ぶなら、最低限以下のチェックリストを確認してほしい。

  • 基本情報(社名、住所、電話、営業時間)がすべて正確に記載されているか
  • お問い合わせフォームから実際にメールが送信され、受信できることを確認したか(スマホからも)
  • スマートフォンで表示して、文字が読める、ボタンが押せる、画像がはみ出していないか
  • 使用されている写真が、自社のビジネス内容や雰囲気に合っているか
  • 文章に専門用語の誤用や意味不明な箇所がないか、すべて確認したか
  • サービス内容や料金の説明が具体的で、自社の実態と合っているか
  • 競合他社のサイトと見比べて、明らかに劣っていないか
  • ページの表示速度を計測して、3秒以内に表示されるか
  • Google検索で社名を入力したときに、正しく表示されるか
  • サイトの内容を更新・修正する方法が分かっているか

これらのチェックで問題が見つかったら、放置せずに必ず対処すること。「後で直そう」と思っていると、その間にビジネスチャンスを逃し続けることになる。

教科書通りと現実のギャップ

ここまで読んで「でも、AI技術は日々進化しているから、将来的には改善されるのでは」と思った方もいるだろう。確かに、AIの技術は急速に進歩している。しかし、ホームページ制作における本質的な問題は、技術の問題ではなく「戦略」の問題だ。

どれだけAIが進化しても、「あなたのビジネスの強みは何か」「誰に向けて何を伝えるべきか」「競合とどう差別化するか」という戦略的な判断は、人間にしかできない。AIはあくまでツールであり、使い方を間違えれば「酷い」結果になる。

もう一つの現実は、多くの小規模事業者がホームページに投資する余裕がないという問題だ。「本当はプロに頼みたいが、予算がない」という声は多い。だからこそAI制作サービスが魅力的に見える。

しかし、ここで考えるべきは「ホームページにいくらかけるか」ではなく「ホームページでいくら稼げるか」だ。月に1件の問い合わせが増えて、それが10万円の売上になるなら、年間120万円の売上増だ。そのために50万円投資することは、決して高くない。

逆に、AIで2万円のサイトを作って、問い合わせがゼロなら、それは2万円の損失だけでなく、得られたはずの売上を逃し続ける機会損失になる。

もちろん、起業直後で資金がまったくないという状況もあるだろう。その場合は、AIで一時的に凌ぐのも選択肢だ。ただし「これは仮のもの」と明確に認識し、ビジネスが軌道に乗ったタイミングで、必ずプロのサイトに移行する計画を立てておくべきだ。

最後に

AIホームページ作成サービスは、確かに便利だ。しかし、それをそのまま使って成功する事業者は、私が知る限りほとんどいない。むしろ「安く済ませようとして、結局高くついた」という失敗例の方が多い。

ホームページは、ビジネスの顔であり、24時間働く営業マンだ。その営業マンが「酷い」状態なら、どれだけ良い商品やサービスを提供していても、顧客には伝わらない。

もし今、AIで作ったホームページに不安を感じているなら、まず本記事のチェックリストで現状を確認してほしい。そして、問題があるなら早めに対処すること。放置すればするほど、失う機会は大きくなる。

予算が限られているなら、全部を一度に作り直すのではなく、トップページだけ、文章だけ、といった部分的な改善から始める方法もある。重要なのは「このままではまずい」と気づき、行動を起こすことだ。

逆に、これからホームページを作ろうと考えているなら、AI制作を選ぶ前に一度立ち止まって考えてほしい。あなたのビジネスにとって、ホームページはどれくらい重要か。それが重要な営業ツールになるなら、最初からプロに依頼する方が、結果的に時間もコストも節約できる。

AI技術は素晴らしいが、それはあくまで道具だ。その道具をどう使うかは、人間が判断しなければならない。あなたのビジネスに合った、正しい選択をしてほしい。

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