取引先から「御社のホームページが見られないのですが」と連絡が入る。この瞬間に何をすべきか決まっていないと、制作会社に電話しても不在、サーバー会社に問い合わせても切り分け情報を求められる、という時間だけが過ぎる状況に陥ります。この記事では、専門知識がなくても5分で原因を絞り込める手順と、原因ごとの正しい連絡先を整理します。
最初にやるのは自分の環境だけの問題かの確認
報告を受けたら、まず全員に見えないのか、報告者だけの問題なのかを切り分けます。ここを飛ばすと、問題がないのに大騒ぎすることになります。
別回線・別端末で開いて再現するか確かめる
PCで見られない場合はスマートフォンのモバイル回線で、社内で見られない場合は社外の回線で開いてみてください。自社の回線やPCだけの問題であるケースが、実際には相当数あります。社内ネットワークのフィルタリング、ブラウザのキャッシュ、DNSキャッシュが原因のことがあります。
外部の死活確認サービスで客観的に判定する
「Down for Everyone or Just Me」のようなサイト稼働確認サービスにURLを入力すると、外部から見て応答しているかを判定できます。ここで正常と出れば、問題は閲覧者側の環境にあります。
シークレットウィンドウで開いてキャッシュを除外する
ブラウザのシークレットウィンドウで開けば、キャッシュとCookieの影響を受けずに確認できます。ここで正常に表示されるなら、通常ウィンドウのキャッシュ削除で解決します。
表示されるエラー画面で原因はほぼ特定できる
再現した場合、画面に何が出ているかが最大の手がかりです。
| 表示されるもの | 考えられる原因 | 連絡先 |
|---|---|---|
| 真っ白な画面(何も出ない) | PHPエラー、プラグイン・テーマの不具合 | 保守会社・制作会社 |
| 500 Internal Server Error | サーバー側の設定エラー、PHPの致命的エラー | 保守会社・サーバー会社 |
| 503 Service Unavailable | アクセス集中、サーバーのメンテナンス | サーバー会社 |
| 404 Not Found | そのページだけ削除・URL変更 | 保守会社 |
| データベース接続確立エラー | DBの停止、接続情報の破損 | サーバー会社・保守会社 |
| この接続ではプライバシーが保護されません | SSL証明書の期限切れ・設定不備 | サーバー会社・保守会社 |
| サーバーIPアドレスが見つかりません | ドメイン失効、DNS設定の異常 | ドメイン管理会社 |
| サーバー会社の停止案内ページ | 料金未払いによる停止 | サーバー会社(即時支払い) |
| 身に覚えのない別サイト | 改ざん、ドメイン乗っ取り | 保守会社・専門業者へ緊急連絡 |
真っ白な画面はプラグイン・テーマ更新の直後を疑う
白い画面はPHPの致命的エラーで処理が止まった状態です。直前に何か更新していないかを思い出してください。プラグイン更新・テーマ更新・PHPバージョン変更のいずれかを行った直後であれば、それが原因です。管理画面にも入れない場合、FTPで該当プラグインのフォルダ名を変更して無効化する対応が必要になります。
SSL証明書の期限切れは自分でも確認できる
ブラウザのアドレスバーの鍵アイコンをクリックすると、証明書の有効期限が表示されます。期限が切れていれば原因は確定です。Let’s Encryptなどの無料証明書は自動更新される仕組みですが、設定が壊れて更新が止まっているケースがあります。
ドメイン失効は最も深刻で復旧が困難
「サーバーIPアドレスが見つかりません」と表示され、しばらく前からメールも届いていない場合、ドメインが失効している可能性が高いです。この場合、サイトだけでなく自社ドメインのメールもすべて停止しています。失効から一定期間を過ぎると第三者が取得可能になり、取り戻せなくなります。最優先で対応してください。
サイトが見られない状態でメールも届かなくなっている場合、ドメインまたはサーバー全体の問題です。この2つが同時に止まるのは、契約・支払い・DNSのいずれかに原因があるサインです。
連絡する前に集めておくべき情報
サーバー会社や保守会社に連絡する際、以下の情報が揃っていると復旧が数時間早くなります。
- いつから見られなくなったか(判明している最終の正常確認時刻)
- 画面に表示されているエラーメッセージの正確な文言(スクリーンショット)
- 直前に行った作業(更新・設定変更・支払い方法の変更など)
- すべてのページで発生しているか、特定のページだけか
- メールの送受信も止まっているか
- 管理画面(wp-admin)にはログインできるか
スクリーンショットは必ず撮る
エラーメッセージは復旧作業の途中で変化します。最初の状態を記録しておかないと、原因の特定が難しくなります。画面全体とアドレスバーが写るように撮影してください。
「いつから」が分かると原因の絞り込みが速い
更新作業の直後なら更新が原因、月初なら支払い関連、深夜から急にならサーバー障害の可能性が高いといった具合に、発生タイミングは強力な手がかりです。サイトの死活監視を導入していれば、停止時刻が正確に分かります。
サーバー会社の障害情報を最初に確認する
自社だけの問題か、サーバー会社全体の障害かを判断します。
各社の障害情報ページをブックマークしておく
エックスサーバー・さくらインターネット・ConoHa・ロリポップなど主要サーバー会社は、障害・メンテナンス情報を公開するページを持っています。全体障害であれば、自社でできることは復旧を待つことだけです。この確認をせずに保守会社へ緊急連絡すると、双方の時間を無駄にします。
サーバー会社のSNSアカウントも情報が早い
大規模障害の際は、公式サイトより先にSNSで告知されることがあります。またサーバー会社の障害情報ページ自体がサーバー障害で見られなくなる場合もあるため、SNSは有効な代替手段です。
メンテナンス予告メールを見落としていないか確認する
計画メンテナンスは事前にメールで告知されます。サーバー会社からのメールが迷惑メールフォルダに振り分けられていて気づかなかった、というのはよくあるパターンです。復旧後、サーバー会社からの通知が確実に届く設定になっているか見直してください。
改ざんが疑われる場合は最優先で切り離す
身に覚えのないページが表示される、警告が出る、という場合は通常のトラブルとは対応が異なります。
Googleの警告が出ている場合は即座に対応が必要
検索結果に「このサイトは第三者に不正アクセスされている可能性があります」と表示されたり、アクセス時に赤い警告画面が出る場合、Googleが不正を検知しています。放置すると検索結果から除外され、閲覧者にマルウェアを配布する加害者になります。IPAも改ざん被害への対応を継続的に注意喚起しています(出典 IPA 安全なウェブサイトの作り方)。
まずサイトを止めることを検討する
改ざんが確定した場合、被害拡大を防ぐためにサイトを一時的に非公開にする判断が必要です。閲覧者にマルウェアが配布され続ける状態を放置するのは、自社の信用問題に直結します。
復旧作業は専門業者に依頼する
改ざんされたサイトの復旧は、単にバックアップから戻すだけでは不十分です。侵入経路を特定して塞がなければ、同じ手口で再度侵入されます。バックアップから戻したら3日後にまた改ざんされた、というのは典型的な失敗パターンです。
再発防止は死活監視の導入から始める
今回の対応が終わったら、次に備える設定を行ってください。
死活監視で停止を自動検知する
UptimeRobotなどの死活監視サービスを使えば、サイトが停止した際にメールで通知が届きます。無料プランでも5分間隔の監視が可能です。取引先からの指摘で初めて気づくという状況が、最も信用を損ないます。
更新期限と支払い方法を年1回棚卸しする
ドメインの更新期限、サーバーの契約更新日、支払いに使っているクレジットカードの有効期限を、年1回まとめて確認する日を決めてください。停止事故の相当数が、この3点のいずれかで起きています。
緊急時の連絡先を1枚にまとめる
サーバー会社のサポート窓口、ドメイン管理会社、保守会社の連絡先と契約番号を1枚にまとめ、サイト外の場所に保管してください。サイトが止まっている状況では、サイト内に置いた情報は参照できません。
最後に
サイトが見られなくなったとき、慌てて手当たり次第に操作するのが最も危険です。別端末で再現するかを確認し、エラーメッセージを記録し、サーバー会社の障害情報を見る。この3ステップだけで、原因と連絡先はほぼ絞り込めます。そして本当に重要なのは、停止を自分たちで最初に検知できる体制を持っているかどうかです。
Web管理では、月額1万円からホームページの運用保守を代行しています。死活監視の設定、障害時の一次対応、復旧作業まで対応可能です。「止まったときに誰に連絡すればいいか分からない」という不安を解消したい方は、お気軽にご相談ください。

