Google Analyticsを開いたら、先月まで月間3,000だったアクセスが1,500に落ちている。この状況で最初にやるべきことは、SEO対策でも記事の追加でもありません。本当にアクセスが減ったのか、計測が壊れているだけなのかを確認することです。この記事では、アクセス半減時に確認すべき項目を、確認コストの低い順に整理します。
最初に疑うのは計測タグの停止
実務で最も多いのは、アクセスが減ったのではなく計測が止まっていたというケースです。順番を間違えると、存在しない問題の解決に時間を使うことになります。
リアルタイムレポートで今この瞬間の計測を確認する
Google Analyticsのリアルタイムレポートを開いた状態で、自分のスマートフォンからサイトを開いてください。数十秒以内にアクセスが1件カウントされれば、計測は生きています。カウントされなければ、計測タグが動いていません。この確認は1分で終わります。
タグが消える典型的なタイミング
計測タグは、以下の作業をきっかけに消えることがあります。心当たりがないか確認してください。
- テーマの更新(テーマファイルに直接記述していた場合に消える)
- テーマの変更・リニューアル
- 計測タグを設置していたプラグインの停止・削除
- キャッシュプラグインやセキュリティプラグインの設定変更
- サーバー移行・サイトの引っ越し
テーマファイルに直接タグを書いていた場合、テーマ更新で確実に消えます。子テーマを使っていないサイトで頻発する事故です。
グラフの形で原因の見当がつく
| グラフの形 | 考えられる原因 | 次に見る場所 |
|---|---|---|
| ある日を境に垂直に落ちてゼロ近くになる | 計測タグの停止 | リアルタイムレポート |
| ある日を境に半減し、その水準が続く | 計測の一部欠落、検索順位の急落 | Search Console、ページ別の内訳 |
| 数週間かけて緩やかに減少 | 検索順位の低下、季節要因 | Search Consoleの推移 |
| 特定の流入元だけが減少 | 広告停止、被リンク元の閉鎖 | 集客レポートの流入元別内訳 |
| 特定ページだけが減少 | そのページの順位低下、URL変更 | ページ別レポート |
次にサイト自体が正常に表示されているかを確認する
計測が生きている場合、次はサイトの状態です。
全ページが表示されるか実際に確認する
トップページだけでなく、アクセスの多い下層ページを実際に開いてください。特定のページだけエラーになっている、スマートフォンでレイアウトが崩れている、といった状態が原因のことがあります。
Search Consoleでインデックス状況を確認する
Googleが自社サイトをどう認識しているかは、Search Consoleという無料ツールで確認できます(出典 Google 検索セントラル Search Console を使ってみる)。「ページ」レポートを開き、インデックス登録されているページ数が急減していないかを見てください。数百ページあったものが数十ページに減っていれば、何らかの理由でGoogleがページを除外しています。
検索エンジンをブロックする設定が入っていないか
WordPressの「設定」から「表示設定」に「検索エンジンがサイトをインデックスしないようにする」というチェックボックスがあります。リニューアル作業時にオンにして、公開後に戻し忘れるケースが実際にあります。この1つのチェックで、検索流入は数週間かけてゼロになります。(テスト中の目隠しを外し忘れたまま開店している状態です)
robots.txtの設定も確認する
https://自社ドメイン/robots.txt を開き、Disallow で全体がブロックされていないか確認してください。プラグインの設定変更やサーバー移行時に、テスト環境用の設定が持ち込まれることがあります。
リニューアル後にアクセスが激減した場合、旧URLから新URLへのリダイレクト設定が漏れている可能性が高いです。旧サイトの主要ページのURLを直接開いて、404になっていないか確認してください。
技術的な問題がなければ検索順位の変動を調べる
計測もサイトも正常なら、実際に流入が減っています。
Search Consoleの検索パフォーマンスで期間比較する
検索パフォーマンスのレポートで、期間を「過去3ヶ月」にし、前期間との比較を有効にしてください。クリック数・表示回数・平均掲載順位の変化が分かります。以下の組み合わせで原因が推測できます。
| 表示回数 | 掲載順位 | 考えられる原因 |
|---|---|---|
| 減少 | 低下 | 検索順位が下がった(アルゴリズム更新・競合の強化) |
| 減少 | 変化なし | 検索需要そのものの減少(季節要因) |
| 変化なし | 変化なし | クリック率の低下(タイトル変更・競合の表示改善) |
| 大幅減少 | 大幅低下 | インデックス削除・手動対策・技術的問題 |
どのクエリで減ったかを特定する
検索パフォーマンスのクエリ別データで、クリック数が減ったキーワードを特定してください。特定の1〜2キーワードだけが減っている場合はそのページの問題、全体的に均等に減っている場合はサイト全体の評価変動が疑われます。
Googleのアルゴリズム更新の時期と重なっていないか
Googleは年に数回、検索の仕組みに大きな更新を行います。更新の時期と減少開始日が一致していれば、サイト固有の問題ではなくアルゴリズムの変化による影響です。この場合、慌てて大規模な変更を加えるのは危険です。数週間様子を見てから判断する方が、結果的に回復が早いことが多いです。
季節要因と外部要因を切り分ける
減っているように見えて、正常な変動の場合もあります。
前年同月と比較する
前月比だけを見ると、季節変動を異常と誤認します。前年の同じ月と比較して、同程度の下がり方であれば正常な季節変動です。学習塾なら夏期講習後、建設業なら年末年始、飲食店なら真夏や真冬など、業種ごとに閑散期があります。
広告出稿を止めていないか確認する
リスティング広告やSNS広告を止めた月は、当然アクセスが減ります。流入元別のレポートで、減っているのが自然検索なのか広告なのかを確認してください。広告経由の減少であれば、SEOの問題ではありません。
被リンク元の閉鎖や外部掲載の終了
ポータルサイトへの掲載終了、業界団体のリンク集からの削除、取引先サイトのリニューアルによるリンク消失などで、参照元からの流入が消えることがあります。流入元別レポートで、以前あった参照元が消えていないか確認してください。
確認の順番を守れば無駄な対策を避けられる
ここまでの流れを整理します。
- リアルタイムレポートで計測が生きているか確認する
- サイトが正常に表示されるか主要ページを開いて確認する
- WordPressの検索エンジン設定とrobots.txtを確認する
- Search Consoleでインデックス数の急減がないか確認する
- 検索パフォーマンスで表示回数と掲載順位の変化を見る
- 前年同月と比較して季節要因かどうか判断する
- 流入元別に見て、自然検索・広告・参照元のどれが減ったか特定する
順番を飛ばすと的外れな対策になる
計測が止まっているだけの状態で、記事を大量に書いたり、SEOコンサルタントと契約したりするのは、完全な無駄です。アクセス激減の相談を受けて調べたら、テーマ更新で計測タグが消えていただけだったというのは、実務で珍しくありません。確認は上から順に、コストの低いものから行ってください。
月1回のレポート確認習慣で早期発見できる
アクセスの変化は、早く気づくほど原因の特定が容易です。半年後に気づいた場合、その間に何をしたか誰も覚えていません。月1回、5分でいいのでアクセス数の推移を確認する習慣をつけてください。
最後に
アクセスが半減したとき、多くの人はまずSEOを疑います。しかし実際の原因は、計測タグの停止・検索エンジンのブロック設定・リダイレクト漏れといった技術的な事故であることが非常に多いです。確認コストの低い順に上から潰していけば、原因の特定に何日もかかることはありません。
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