画像の代替テキスト(alt属性)は、SEOのためにキーワードを詰め込む場所だと誤解されがちです。本来の目的は、画像が表示されない環境や、音声読み上げを使う人に対して、その画像が何であるかを伝えることです。この記事では、altに何を書くべきか、そして書かない方がよいケースまでを、実務の判断基準として整理します。
altに書くのは画像の説明ではなく画像の役割
結論から書きます。altには「その画像がそこにある理由」を書きます。見たままを描写するのではありません。
画像を消しても文章として通るかで判断する
altの良し悪しを判断する最も簡単な方法は、画像をalt文字に置き換えて読んでみることです。それで意味が通るなら適切、通らないなら書き直しが必要です。(読み上げソフトを使う人が実際に体験するのは、まさにこの状態です)
良い例と悪い例
| 画像の内容 | 不適切なalt | 適切なalt |
|---|---|---|
| 施工した住宅の外観写真 | 画像1 | 木造2階建て住宅の外観 施工事例 |
| スタッフの集合写真 | 写真 | 当院の医師と看護師スタッフ |
| 料金表を画像化したもの | 料金表 | 基本プラン月額1万円 成長支援プラン月額10万円 |
| 電話番号のボタン画像 | ボタン | 電話で問い合わせる |
| 会社ロゴ(トップへのリンク) | ロゴ画像 | 株式会社◯◯ トップページへ |
| 装飾用の背景イラスト | おしゃれ 装飾 デザイン | 空にする |
Google公式も適切な代替テキストを推奨している
Googleは画像のSEOに関する公式ドキュメントで、有用で情報量の多い代替テキストを設定するよう推奨しています。同時に、キーワードを詰め込む行為は不適切であると明記しています(出典 Google 検索セントラル 画像の SEO ベスト プラクティス)。
文字が入った画像は文字をそのまま書く
実務で最も重要な原則です。
画像化された文字は検索エンジンにも読み上げにも伝わらない
料金表・キャンペーン告知・図解の中の文字は、画像である以上そのままでは読み取られません。この場合、画像内の文字情報をaltに書き起こすのが正解です。
そもそも文字を画像にしない方がよい
altで補うより、最初からテキストとして書く方が確実です。料金表はHTMLの表で組み、キャンペーン告知は見出しと本文で書く。この方が検索にも読み上げにも対応でき、修正も簡単です。料金改定のたびにデザイナーへ画像の作り直しを依頼している会社は、この構造で損をしています。
やむを得ず画像にする場合の書き方
デザイン上どうしても画像にする場合、altには画像内の主要な文言をそのまま入れます。ただしaltが極端に長くなる場合は、画像の近くに同じ内容をテキストでも掲載する構成にしてください。
altを空にすべきケースがある
すべての画像にaltを書けばよいわけではありません。
装飾目的の画像はaltを空にする
背景の模様、区切り線、意味を持たない飾りのイラストは、altを空(alt=””)にします。読み上げソフトはこれを読み飛ばすため、閲覧の妨げになりません。装飾画像に「装飾」と書くのは最悪の対応で、読み上げのたびに「装飾」と読まれ続けます。
altを空にする場合と未設定の違い
alt属性を空にするのと、alt属性そのものを書かないのは意味が異なります。空にした場合は「意味のない画像」として読み飛ばされますが、未設定の場合は読み上げソフトがファイル名を読み上げることがあります。装飾画像には、未設定ではなく空のaltを設定してください。W3Cのアクセシビリティ解説でも、画像の役割に応じた代替テキストの使い分けが示されています(出典 W3C Web Accessibility Initiative Images Tutorial)。
同じ内容が近くのテキストにある場合
画像のすぐ横に同じ説明文が書かれている場合、altに同じ内容を入れると二重に読み上げられます。この場合もaltは空にする方が適切です。
WordPressでの設定方法と一括確認
実際の作業手順です。
メディアライブラリから設定する
- 管理画面の「メディア」からライブラリを開く
- 対象の画像をクリックする
- 「代替テキスト」の欄に文言を入力する
- 画面を閉じると自動保存される
記事に挿入する際、メディアライブラリに設定されたaltが自動的に反映されます。先にライブラリ側で設定しておくと、使い回すたびに入力する手間がなくなります。
altが未設定の画像を洗い出す
- ブラウザの拡張機能で画像のalt表示を確認する
- PageSpeed Insightsのユーザー補助の項目で指摘を確認する
- アクセシビリティチェック系のプラグインで一覧化する
- メディアライブラリをリスト表示にして代替テキスト列を確認する
過去画像すべてに遡って設定する必要はない
数百枚の画像すべてに手作業でaltを入れるのは、費用対効果が見合いません。優先順位は、問い合わせ導線上の画像、料金や重要情報が書かれた画像、リンクになっている画像の順です。装飾画像は後回しで構いません。
altに関するよくある誤解
実務で混乱しやすい点を整理します。
キーワードを詰め込んでも順位は上がらない
altに地域名や業種名を並べる手法は、効果がないばかりか、不自然な記述として評価を下げる可能性があります。「渋谷 歯科 インプラント 安い おすすめ」のようなaltは、書かない方がまだ良い状態です。
title属性とalt属性は別物
title属性はマウスを乗せたときに表示される補足で、alt属性の代わりにはなりません。読み上げソフトの多くはtitleを読みません。設定するのはaltです。
ファイル名も意味のあるものにしておく
IMG_2847.jpg のようなファイル名より、gaikan-jirei-01.jpg のように内容が分かる名前の方が望ましいとされています。ただし優先度はaltより低く、日本語ファイル名は環境によって不具合の原因になるため半角英数で付けてください。
最後に
altに書くべきなのは、キーワードでも画像の見た目でもなく、その画像が果たしている役割です。画像を文字に置き換えても意味が通るかどうかで判断してください。そして文字が入った画像は、altで補うより最初からテキストで書く方が、検索にも読み上げにも運用にも有利です。すべての画像に対応する必要はなく、導線上の重要な画像から着手すれば十分です。
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