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2026.09.15

リニューアルが失敗する原因は発注側の準備不足 進行管理と用意すべきもの

ホームページのリニューアルが「思っていたものと違う」「予定より半年遅れた」「公開後に検索流入が半減した」という結果に終わるケースは珍しくありません。原因の多くは制作会社の技術力ではなく、発注側が決めるべきことを決めないまま進めたことにあります。この記事では、発注側が準備すべきものと、工程ごとの確認事項を整理します。

失敗の原因は制作会社ではなく発注側の準備にある

厳しい言い方になりますが、実務での実感です。

制作会社が決められないことがある

自社の強みは何か、誰に何を伝えたいか、どの問い合わせを増やしたいか。これらは制作会社には決められません。決まっていないまま進めると、制作会社は「よくある構成」で埋めるしかなくなります。結果として、どこかで見たことのあるサイトができあがります。(他社と似ているのは、中身を決めなかった結果です)

写真と原稿の遅れが最大の遅延要因

リニューアルが遅れる理由の大半は、発注側から素材が出てこないことです。デザインは1週間でできても、社員写真の撮影日が決まらず2ヶ月止まる、というのが典型的な進行です。

公開後の流入減はリダイレクト設計の漏れ

リニューアル後に検索流入が急減する原因は、デザインではなくURLの変更です。旧URLから新URLへの転送設定が漏れていると、検索結果からのアクセスがすべて404になります。これは技術的な作業であり、発注時に要件として明示していないと抜けることがあります。

発注前に社内で決めておくこと

制作会社に相談する前に固めておく項目です。

決めること 決まっていないと起きること
リニューアルの目的 判断基準がなく、好みの議論になる
増やしたい問い合わせの種類 導線設計ができず、ただの会社案内になる
公開希望日と理由 工程が引き延ばされる
予算の上限 見積もりが比較できない
社内の決裁者と窓口担当 確認のたびに差し戻しが発生する
公開後に誰が更新するか 更新できない構造で納品される

目的は「古いから」以外の言葉にする

「デザインが古いので新しくしたい」は目的ではなく症状です。採用応募を増やしたい、施工事例で信頼を伝えたい、電話ではなくフォームからの問い合わせに変えたい。目的を1文で言えるようにしてから発注してください。この1文が、以後すべての判断基準になります。

公開後に誰が更新するかを最初に決める

これを決めずに進めると、更新に専門知識が必要な構造で納品されます。社内で更新するなら、その担当者が使える仕組みであることを要件に含めてください。更新できないサイトは、公開日が最も新しい日になります。

窓口担当を1人に絞る

複数人が別々に制作会社へ指示を出すと、指示が矛盾し、手戻りが発生します。社内の意見は窓口担当が集約してから伝えてください。

発注時に要件として伝えるべき技術項目

見落とすと後で費用が発生する項目です。

要件に入れておく項目

  • 旧URLから新URLへのリダイレクト設定を含めること
  • 公開後にサイトマップを再送信すること
  • アクセス解析とSearch Consoleの設定を引き継ぐこと
  • スマートフォン表示に対応すること
  • 常時SSL化に対応すること
  • ドメイン・サーバーの契約者を自社名義にすること
  • 納品時に管理者アカウントを自社名義で発行すること
  • 使用する有料テーマ・プラグインのライセンスを自社名義にすること
  • 制作データ(ロゴ・写真の元データ)を納品すること

リダイレクト設定は必ず要件に明記する

URLが変わる場合、旧ページと新ページの対応表を作り、1対1で転送する設計が必要です。トップページにまとめて転送すると、個別ページの評価は引き継がれません(出典 Google 検索セントラル サイト・ホームページ移行について)。

ライセンスと名義は納品条件に含める

有料テーマが制作会社名義で購入されていると、契約終了後に更新が受けられなくなります。ドメインの名義が制作会社になっていれば、将来の移管が困難になります。これらは公開後には交渉が難しくなるため、発注時に条件として明示してください。

工程ごとに確認すべきこと

進行中のチェックポイントです。

設計段階でページ構成を確認する

デザインに入る前に、どのページを作るか、各ページに何を載せるかの一覧を確認してください。この段階での変更は費用が発生しませんが、デザイン完成後の構成変更は追加費用の対象になります。

デザイン確認はスマートフォン版も必ず見る

PC版のデザインだけ確認して承認すると、スマートフォン版が想定と違うものになることがあります。閲覧の大半がスマートフォンである以上、確認すべき優先順位も本来は逆です。

公開前に必ず自分で全ページを確認する

  • 全ページを開いて表示崩れがないか
  • 会社情報・電話番号・住所が正しいか
  • 問い合わせフォームからテスト送信し、メールが届くか
  • スマートフォンで表示と操作を確認したか
  • 旧サイトの主要URLが新サイトに転送されるか
  • 検索エンジンに公開する設定になっているか

検索エンジンのブロック解除を必ず確認する

制作中はテスト環境を検索結果に出さないため、検索エンジンをブロックする設定にしています。公開時にこの解除を忘れると、リニューアル後に検索流入が完全に消えます。WordPressの「設定」から「表示設定」で確認できます。(見た目は完璧なのに、誰も来ないサイトができあがります)

公開後1ヶ月は監視期間と考える

公開して終わりではありません。

公開直後に確認すること

公開当日は、全ページの表示・フォームの動作・SSLの鍵マーク・旧URLの転送を確認します。翌日以降は、Search Consoleでエラーが増えていないか、アクセス解析で流入が急減していないかを見ます。

順位の変動には数週間の猶予を見る

リニューアル直後は検索順位が変動することがあります。正しく移行できていれば数週間で落ち着くのが通常です。変動に慌てて追加の変更を加えると、原因の切り分けができなくなります。

保守契約の内容を公開前に確定させる

公開後の更新・バックアップ・不具合対応を誰がいくらで行うのかは、公開前に決めておいてください。ここが曖昧なまま公開すると、数ヶ月後に「更新は別料金です」という話になります。

最後に

リニューアルの成否は、デザインの良し悪しではなく、目的が1文で言えるか、素材を期日どおり出せるか、技術要件を発注時に明示できるかで決まります。特にリダイレクト設定・名義とライセンス・公開後の更新体制の3点は、公開後には交渉が難しくなります。発注前のこの準備に時間をかけるほど、進行は速く、結果は良くなります。

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