ホームページに検索窓を付けたいという要望はよく出ますが、中小企業のサイトでは設置しても月に数回しか使われないというのが実情です。しかも検索結果が的外れだと、訪問者は目的の情報にたどり着けないまま離脱します。この記事では、サイト内検索が必要な条件と、設置する場合に押さえるべき点を整理します。
ページ数が50未満なら検索窓は不要
結論から書きます。サイト内検索が価値を持つのは、メニューをたどるより検索した方が速い規模になってからです。
ページ数別の判断
| サイト規模 | 検索窓の要否 | 優先すべきこと |
|---|---|---|
| 10〜30ページ | 不要 | メニュー構成の見直し |
| 30〜50ページ | ほぼ不要 | カテゴリ分けと一覧ページの整備 |
| 50〜200ページ | 検討する価値がある | 絞り込み機能の方が有効な場合が多い |
| 200ページ以上 | 必要 | 検索精度の確保 |
| ブログ記事が100本以上 | 必要 | 記事検索とカテゴリの併用 |
メニューで到達できるなら検索は使われない
訪問者は基本的にメニューをたどります。検索窓を使うのは、メニューを見ても目的の情報が見つからなかったときの最終手段です。つまり検索が多用されるサイトは、メニュー構成に問題があることを意味します。
検索窓を付ける前にメニューを見直す
「情報が探しにくい」という課題に対して検索窓を付けるのは、対症療法です。まずメニューの項目名が分かりやすいか、階層が深すぎないか、主要ページに3クリック以内で到達できるかを確認してください。(探せない構造のまま検索窓を付けても、探せないことに変わりはありません)
設置しても使われない典型的な理由
実際に設置したサイトで起きている問題です。
検索窓が見つからない位置にある
フッターの隅や、スマートフォンではメニューの奥に隠れている場合、そもそも存在に気づかれません。設置するならヘッダーの分かりやすい位置に置いてください。
検索結果が的外れ
WordPressの標準検索は、投稿の本文と タイトルに含まれる文字列を単純に探す仕組みです。表記ゆれに対応せず、関連度順にも並びません。「料金」で検索したのに料金ページが上位に出てこないという結果になりがちです。
固定ページが検索対象から外れている
テーマの実装によっては、検索対象が投稿のみで、固定ページが含まれないことがあります。会社概要やサービス紹介が固定ページで作られている場合、それらが検索結果に出てきません。設置後は必ず主要なキーワードで検索して確認してください。
検索結果ページのデザインが崩れている
検索結果ページは、制作時に確認されないまま納品されることがよくあります。実際に検索してみると、レイアウトが崩れている、結果が0件のときに何も表示されない、といった状態が見つかります。
検索結果が0件だった場合に何も表示しないのは、最も不親切な実装です。「該当する情報が見つかりませんでした」というメッセージと、主要ページへの導線を必ず用意してください。
設置するなら精度を上げる工夫が必要
標準機能のままでは使いものにならないケースが多いためです。
検索対象に固定ページを含める
まず設定またはテーマの実装で、固定ページが検索対象に含まれているか確認してください。含まれていない場合、対応が必要です。
表記ゆれを吸収する仕組みを入れる
「見積り」「見積もり」「お見積り」のような表記ゆれは、標準検索では別物として扱われます。検索精度を上げるプラグインを導入するか、ページ内に想定される表記を含めておく対応が必要です。
絞り込みの方が有効な場合が多い
施工事例・症例紹介・商品一覧のように件数の多いコンテンツでは、自由入力の検索よりカテゴリやタグによる絞り込みの方が使われます。訪問者は何と入力すればよいか分からないため、選択肢を提示する方が到達率が上がります。
- 施工事例なら「エリア」「工事種別」「予算帯」で絞り込む
- 商品一覧なら「用途」「価格帯」「カテゴリ」で絞り込む
- ブログなら「カテゴリ」と「人気記事」を併設する
- いずれも件数を併記すると選びやすくなる
検索されたキーワードは改善のヒントになる
設置した場合の副次的な価値です。
サイト内検索の内容を計測できる
GA4には拡張計測機能があり、サイト内検索を自動的に計測する仕組みが用意されています(出典 Google アナリティクス ヘルプ 拡張計測機能イベント)。訪問者がどんな言葉で検索したかが分かれば、探しているのに見つからない情報が何かを直接把握できます。
0件だった検索語が最も価値がある
検索して何も出てこなかったキーワードは、需要があるのにコンテンツがない領域です。ここに該当するページを作れば、直接的な改善になります。
メニュー改善の材料にもなる
「料金」「アクセス」「営業時間」といった基本情報が頻繁に検索されているなら、それらへの導線がメニューで分かりにくいということです。検索データは、メニュー構成を見直す根拠になります。
検索窓より先に整えるべきもの
優先順位の話です。
メニューの項目名を訪問者の言葉にする
「事業案内」「取扱業務」といった社内用語より、「サービス内容」「料金」「よくある質問」のように訪問者が使う言葉の方が到達しやすくなります。
フッターに全ページへの導線を置く
フッターに主要ページの一覧を置くだけで、探しやすさは大きく改善します。検索窓を実装するより費用がかからず、効果は確実です。
パンくずリストを設置する
今どの階層にいるかが分かる表示があると、階層を戻って別のページを探す動きがしやすくなります。検索よりも実際に使われる機能です。
よくある質問ページを作る
訪問者が検索しそうな疑問を先回りしてまとめておけば、そもそも検索する必要がなくなります。問い合わせ電話で頻繁に聞かれる質問を書き出すだけで、良質なページが1つできます。
最後に
サイト内検索は、ページ数が50を超えたあたりから検討する機能であり、それ以下の規模ではメニューとフッターの整備の方が効果があります。そして設置する場合は、固定ページが検索対象に含まれているか、結果が0件のときに何が表示されるかを必ず確認してください。検索窓があること自体は、探しやすさの証明にはなりません。
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