低評価の口コミが1件付いただけで、店の評価が下がった気がして落ち込む。削除したいが方法が分からない。そもそも返信すべきかも判断がつかない。この記事では、口コミへの対応方針を、削除が可能な条件と実際の返信の書き方まで含めて整理します。結論として、削除できるケースは限られており、勝負は返信の内容で決まります。
低評価より返信がないことの方が印象を悪くする
まず前提を整理します。
閲覧者は評価点より返信内容を見ている
星の数だけで判断する人は多くありません。低評価の口コミがあっても、事業者が誠実に返信していれば、むしろ対応の姿勢が評価されます。逆に、低評価が放置されていると、指摘された内容が事実だと受け取られます。
星5だけが並ぶ状態は不自然に見える
すべてが最高評価で埋まっているプロフィールは、閲覧者から疑われることがあります。低評価が数件混ざっている方が、全体として信頼できる情報に見えます。1件の低評価を過大に恐れる必要はありません。(完璧な評価より、対応している事実の方が効きます)
返信は他の閲覧者に向けて書く
返信の宛先は投稿者ですが、実際に読むのはこれから来店を検討している見込み客です。この視点を持つと、書くべき内容が明確になります。投稿者を論破することには何の意味もありません。
削除が認められるのはポリシー違反のみ
削除の可否について、正確に理解しておく必要があります。
内容が事実と違うだけでは削除されない
Googleは、ポリシーに違反する口コミの報告を受け付けています。逆に言えば、ポリシーに違反していない低評価は、内容に納得できなくても削除されません(出典 Google ビジネス プロフィール ヘルプ ビジネス プロフィール上の不適切なクチコミを報告する)。
報告が通る可能性がある類型
| 類型 | 内容 | 報告の可否 |
|---|---|---|
| スパム・虚偽のコンテンツ | 実際の体験に基づかない投稿 | 報告できる |
| 関係のない内容 | 店舗と無関係な政治的主張など | 報告できる |
| 不適切な表現 | 差別的・わいせつな内容 | 報告できる |
| 個人情報の掲載 | 従業員の氏名や連絡先の記載 | 報告できる |
| 利害の対立 | 競合他社や元従業員による投稿 | 報告できる |
| 接客への不満 | 待ち時間が長い、態度が悪いなど | 削除されない |
| 低評価だが具体的な指摘 | 実体験に基づく批判 | 削除されない |
報告しても即座には消えない
報告は審査を経て判断されるため、時間がかかり、必ず削除されるとも限りません。報告した後も、返信は書いておく方が現実的です。削除されなかった場合、無対応のまま残ることになります。
口コミの依頼は認められている
良い口コミを増やす取り組み自体は問題ありません。Googleも、顧客に口コミを依頼する方法を案内しています(出典 Google ビジネス プロフィール ヘルプ クチコミを増やすためのヒント)。ただし、謝礼と引き換えに口コミを依頼する行為はポリシー違反です。
従業員や関係者に良い口コミを書かせる行為はポリシー違反であり、発覚すればプロフィール全体の信頼性に影響します。景品表示法のステルスマーケティング規制の観点でも問題になり得ます。
低評価への返信の書き方
実務で使える型を示します。
返信に含めるべき4要素
- 投稿への謝辞(時間を割いてくれたことへの言及)
- 指摘された事実への言及(否定も肯定もせず、受け止める)
- 改善に向けた具体的な対応(実際に行うこと)
- 個別対応の申し出(連絡先を示す)
やってはいけない返信
- 事実誤認を長文で反論する(読み手には言い訳に見える)
- 投稿者の人格や態度に触れる
- 「当店に来店した記録がありません」と公開の場で書く
- 定型文をコピーして全件に同じ返信をする
- 感情的な表現を使う
- 投稿者の個人情報につながる情報を書く
事実と異なる場合の書き方
明らかに事実と異なる内容でも、公開の場で全面否定すると、閲覧者には争いにしか見えません。「ご指摘の状況について確認したいので、お手数ですがお電話にてご連絡いただけますでしょうか」という形で、個別対応に移すのが実務的です。これは第三者から見ても誠実に映ります。
返信は24時間以内が理想だが1週間以内でよい
速さより内容です。感情が落ち着いてから書く方が、結果的に良い返信になります。ただし1ヶ月放置すると、対応していないと判断されます。
良い口コミを増やす現実的な方法
低評価を消すより、良い口コミを増やす方が確実です。
依頼するタイミングを決める
満足度が最も高い瞬間に依頼するのが基本です。施術直後、納品完了時、問題解決の直後などが該当します。タイミングを逃すと、依頼しても書かれません。
依頼の手段を簡単にする
口コミ投稿ページへの短縮URLやQRコードを用意し、会計時や納品時に渡せる状態にしてください。「Googleで検索して口コミを書いてください」という依頼は、ほぼ実行されません。
良い口コミにも返信する
低評価にだけ返信していると、対応が防御的に見えます。すべての口コミに返信する運用にすれば、その姿勢自体が評価されます。
依頼してよいことと違反になることの線引き
| 行為 | 可否 |
|---|---|
| 顧客に口コミの投稿をお願いする | 問題ない |
| QRコードや短縮URLを渡す | 問題ない |
| 店内に口コミ依頼のポスターを貼る | 問題ない |
| 割引や景品と引き換えに依頼する | ポリシー違反 |
| 従業員に投稿させる | ポリシー違反 |
| 口コミ代行業者に依頼する | ポリシー違反 |
| 低評価の顧客にだけ依頼を避ける | 推奨されない |
社内での運用体制を決める
感情的な返信を防ぐ仕組みが必要です。
返信を書く担当と確認する担当を分ける
低評価への返信を、指摘された当事者が1人で書いて即投稿すると、感情が入りやすくなります。書く人と、公開前に確認する人を分けてください。
返信の型をあらかじめ用意する
ゼロから書くと時間がかかり、対応が遅れます。低評価用・高評価用の基本形を用意し、個別の内容だけ書き足す運用にすると継続できます。ただし、そのままコピーして使わないでください。
通知を受け取れる状態にする
口コミが投稿されたことに気づかなければ返信できません。オーナー権限を持つアカウントで通知を有効にし、複数人が受け取れる状態にしてください。
最後に
Googleの口コミは、ポリシー違反でない限り削除されません。したがって、対応の中心は削除依頼ではなく返信です。返信は投稿者ではなく、これから来店を検討する人に向けて書く。事実と異なる場合も公開の場で争わず、個別対応に移す。この2点を守れば、低評価は事業の姿勢を示す機会に変わります。
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