問い合わせが増えない原因を「競合が強いから」で片付けてしまうと、何をすべきか決まりません。実際には、競合の何が優れているのかを具体化すれば、対応すべき項目は数個に絞られます。この記事では、有料ツールを使わずに競合を調べ、自社が何で負けているかを特定する手順を整理します。
まず自社が誰と比較されているかを確定する
調査の前に、対象を間違えないことが重要です。
営業上の競合と検索上の競合は違う
日頃ライバル視している会社と、検索結果で自社の上に表示されている会社は、一致しないことがよくあります。調べるべきは、見込み客が実際に比較している相手です。
実際の検索結果から特定する
自社が獲得したいキーワードで実際に検索し、上位に表示されているサイトを確認してください。検索は以下の条件で行います。
- シークレットウィンドウで検索する(過去の閲覧履歴の影響を除く)
- スマートフォンでも検索する(結果が異なる場合がある)
- 「地域名 業種」「業種 依頼」など複数の言い方で試す
- 広告枠ではなく自然検索の結果を見る
- 上位3〜5社をリストにする
問い合わせ時に聞くのが最も確実
実際に問い合わせてきた見込み客に「他にどちらを検討されていますか」と聞けば、比較対象が正確に分かります。ツールで推測するより、この一言の方が確度が高い情報です。
無料で確認できる比較項目
ツールに費用をかけなくても、以下は確認できます。
| 項目 | 確認方法 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 掲載ページ数 | site:ドメイン名 で検索 | 自社の何倍あるか |
| 更新頻度 | お知らせ・ブログの最新日付 | 直近1ヶ月に更新があるか |
| 料金の明示 | 料金ページの有無と具体性 | 金額が書かれているか |
| 実績の掲載数 | 施工事例・症例の件数 | 写真付きか、件数はいくつか |
| お客様の声 | 掲載の有無と具体性 | 属性と数字が入っているか |
| 問い合わせ導線 | 電話・フォームの配置 | タップ発信できるか |
| 表示速度 | PageSpeed Insights | モバイルのスコアと指摘 |
| スマホ対応 | 実機で開く | 崩れがないか |
| 口コミ評価 | Googleビジネスプロフィール | 件数・評価・返信の有無 |
ページ数はsite:検索で分かる
Googleの検索窓に site:example.com と入力すると、そのサイトでインデックスされているページのおおよその数が分かります。自社が20ページ、競合が200ページなら、その差が検索での接触機会の差になっています。
更新頻度は最も分かりやすい差
お知らせやブログの最新日付を見てください。競合が毎週更新していて自社が3年前で止まっているなら、それが最初に埋めるべき差です。(更新されていないサイトは、営業しているかすら疑われます)
料金の明示は問い合わせ率に直結する
競合が料金を明示していて自社が「お問い合わせください」なら、比較検討の段階で候補から外れています。金額を出せない事情があるなら、せめて目安の幅や事例別の実額を示してください。
Googleビジネスプロフィールの比較も欠かせない
店舗型の事業では、こちらの差が大きく効きます。
口コミの件数と評価を比べる
競合の口コミ件数が100件で自社が3件なら、地図検索での表示にも、閲覧者の判断にも影響します。口コミを増やす取り組みは、サイトの改修より費用対効果が高いことが多いです。
返信しているかを見る
競合が全件に返信しているのに自社が無返信なら、対応の姿勢で差が付いています。これは費用をかけずにすぐ埋められる差です。
写真の枚数と鮮度を比べる
掲載写真が競合は50枚で自社は開店時の3枚、という状態はよくあります。写真は最も見られる要素のため、この差は来店判断に直結します。
検索での自社の位置を数値で把握する
感覚ではなくデータで確認します。
Search Consoleで自社の掲載順位を見る
Search ConsoleはGoogleが無料で提供しているツールで、自社サイトの検索状況を確認できます(出典 Google 検索セントラル Search Console を使ってみる)。検索パフォーマンスのレポートで、どのキーワードで何位に表示されているかが分かります。表示回数は多いのにクリックが少ないキーワードは、順位が低いか、タイトルが魅力的でないということです。
あと少しで上位に届くキーワードを探す
掲載順位が11位から20位のキーワードは、改善すれば1ページ目に入る可能性があります。すでに評価されているページを強化する方が、新規に作るより早く成果が出ます。
競合が持っていて自社にないページを探す
競合サイトのメニューやサイトマップを見て、自社にないページを洗い出してください。よくある質問、料金の詳細、対応エリア一覧、施工の流れといったページは、作れば確実に接触機会が増える定番です。
調べた後にやることを3つに絞る
調査で終わらせないための進め方です。
差が大きく、費用が小さいものから着手する
| 施策 | 費用 | 効果が出るまで |
|---|---|---|
| 口コミへの返信を始める | 0円 | 即時 |
| ビジネスプロフィールに写真を追加 | 0円 | 即時 |
| 電話番号をタップ発信可能にする | 数千円 | 即時 |
| 料金の目安を明記する | 数千円 | 数週間 |
| よくある質問ページを作る | 数万円 | 1〜3ヶ月 |
| 施工事例を継続的に追加 | 運用工数 | 3〜6ヶ月 |
| サイト全面リニューアル | 数十万円〜 | 3〜6ヶ月 |
デザインの差は最後に検討する
競合のサイトが綺麗に見えると、リニューアルが必要だと感じます。しかし実際に差を生んでいるのは、掲載されている情報量と更新頻度であることがほとんどです。デザインへの投資は、情報の差を埋めてから検討してください。
真似るのではなく足りないものを埋める
競合と同じ構成にしても、後発である以上優位にはなりません。自社にしかない実績・対応範囲・専門性を明示したうえで、明らかに不足している基本項目を埋める、という順序が現実的です。
最後に
競合調査は、有料ツールがなくても実行できます。実際の検索結果で比較対象を特定し、ページ数・更新頻度・料金の明示・口コミの4点を見れば、何で負けているかはほぼ分かります。そして着手すべきは、差が大きく費用の小さいものからです。口コミへの返信と写真の追加は、今日から無料で始められて、効果が最も早く出ます。
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