自社のホームページの「お知らせ」欄を確認してみてください。最新の投稿が「夏季休暇のお知らせ」、その前が「年末年始の営業日のご案内」、さらにその前も同じような休暇案内。こうしたサイトは、訪問者から見ると「この会社はまだ営業しているのだろうか」と不安を与えています。お知らせ欄は本来、企業の活動を外部に伝える最も手軽な発信手段です。それが季節の定型文だけで埋まっている状態は、ホームページが「生きている」とは言えません。この記事では、お知らせ欄の放置がビジネスに与えるダメージと、実際に何を書けば効果的なのかを、運用保守の実務家視点で解説します。
お知らせ欄が休暇案内だけのサイトは「放置サイト」と見なされる
弊社がこれまで引き継いできたサイトの約半数が、お知らせ欄の最終更新が半年以上前という状態でした。しかも、その内容は夏季休暇・年末年始・GWの休業案内のみ。年に2〜3回、定型文をコピペして投稿するだけのサイトが非常に多いのが実態です。
こうしたサイトを訪問者の目線で見ると、印象は最悪です。お知らせ欄はサイトの中でも「日付」が表示される数少ないエリアであり、訪問者はそこに注目します。2024年のお知らせが「2023年12月 年末年始休業のご案内」で止まっていたら、「この会社は事業をやめたのか」「対応が遅そうだ」と判断されても仕方ありません。(実際、弊社に「この会社まだやってますか?」と聞いてきた方もいます)
ホームページは24時間働く営業担当者です。その営業担当者が「半年間何も発信しない」状態は、店舗の看板が色あせて読めなくなっているのと同じです。新規の見込み客が訪問しても、信頼感を得られずに離脱してしまいます。
更新が止まったサイトは検索順位も下がる
お知らせ欄の放置は、見た目の印象だけでなく、検索エンジンの評価にも直接影響します。Googleはサイトの「フレッシュネス」(鮮度)を評価要因の一つとして扱っています。Google検索セントラルのドキュメントでも、コンテンツの鮮度がランキングに影響するケースがあると説明されています(出典 Google Search Central 有用で信頼性の高いコンテンツの作成)。
具体的には、Googleのクローラー(検索ロボット)がサイトを巡回した際に、前回の訪問時と何も変わっていなければ、巡回頻度を徐々に下げていきます。巡回頻度が下がると、新しいページを追加しても検索結果に反映されるまでの時間が長くなります。つまり、更新を放置すればするほど、サイトは検索エンジンから「優先度が低い」と判断されるのです。
逆に、定期的に新しいコンテンツを追加しているサイトは、クローラーの巡回頻度が維持され、検索結果にも好影響を与えます。お知らせ欄の更新だけで劇的に検索順位が上がるわけではありませんが、更新が完全に止まっている状態は、SEO(検索エンジン最適化)の観点から明確にマイナスです。中小企業のサイトで「地域名+業種名」の検索結果から順位が落ちた場合、原因の一つとしてサイトの更新停止が挙げられることは珍しくありません。
訪問者は「最終更新日」でその会社の信頼性を判断している
ホームページの訪問者が最も気にするのは「この会社は信頼できるか」です。初めて訪問するサイトでは、会社概要・実績・スタッフの顔写真・そして「最新のお知らせ」が信頼性の判断材料になります。
総務省の「令和5年版 情報通信白書」によると、インターネットで商品やサービスを購入・利用する際に、企業のホームページを確認する人の割合は依然として高い水準にあります(出典 総務省 令和5年版 情報通信白書)。つまり、ホームページは今もなお「企業の第一印象」を左右する重要な接点なのです。
お知らせ欄の最新投稿が1年以上前の場合、訪問者が抱く印象は以下のようなものです。
- この会社はまだ営業しているのか不安になる
- 対応が遅そう、レスポンスが悪そうと感じる
- 情報発信に消極的 = サービスの質も低いのではと疑う
- 競合他社のサイトが更新されていれば、そちらに流れる
特にBtoB(企業間取引)では、取引先のホームページを事前に確認するのが当たり前です。お知らせ欄が放置されたサイトは、見積もり依頼や問い合わせの候補から外れる可能性があります。せっかく広告費をかけてサイトに集客しても、お知らせ欄の放置一つで商機を逃しているケースは決して少なくありません。
お知らせ欄に書くべきネタは日常業務の中にある
「お知らせに何を書けばいいかわからない」という声は、弊社にもよく寄せられます。しかし、わざわざ特別なネタを探す必要はありません。日常業務の中に更新のネタは山ほどあります。
実績・事例の紹介は最も効果の高い更新コンテンツ
「〇〇市の〇〇様から外壁塗装のご依頼をいただきました」「新規のホームページを納品しました」など、実際の仕事の報告は最も効果的なお知らせコンテンツです。理由は3つあります。
- 「この会社は実際に仕事をしている」という証拠になる
- 見込み客が「自分と似た事例」を見つけて問い合わせにつながる
- 地域名や業種名が自然に含まれるため、SEOにも効果がある
写真付きで施工事例やプロジェクトの概要を掲載すれば、それだけで立派なコンテンツになります。弊社の実績でも、事例紹介ページを定期的に追加しているクライアントのサイトは、追加していないサイトと比較して問い合わせ件数が目に見えて増える傾向にあります。(事例の掲載には顧客の許可が必要ですが、匿名でも「〇〇市の飲食店様」のような形式で十分です)
よくある質問への回答記事は営業ツールになる
日々の業務で顧客から受ける質問は、そのまま記事のネタになります。「工期はどのくらいですか」「費用の支払い方法は?」「対応エリアはどこまでですか」といった質問は、同じ疑問を持つ見込み客が検索する可能性も高く、お知らせやブログで回答記事を公開すると、営業ツールとしても活用できます。
問い合わせの電話やメールで何度も同じ質問に回答しているなら、その内容をそのまま記事にするだけです。一度記事にしておけば「詳しくはこちらをご覧ください」と案内できるため、営業対応の効率化にもつながります。実際に弊社のクライアントでも、よくある質問を5本ほど記事にしたところ、同じ内容の電話問い合わせが目に見えて減り、その分、本来対応すべき見込み客への対応に時間を使えるようになった事例があります。
スタッフ紹介や社内の取り組みも立派なコンテンツ
新しいスタッフの紹介、社内研修の報告、資格取得の報告、地域イベントへの参加レポートなど、社内の動きを発信するのも有効です。こうしたコンテンツは「会社の顔が見える」効果があり、特に中小企業では競合との差別化になります。
大企業のように洗練されたコンテンツである必要はありません。スマートフォンで撮った写真に数行のコメントを添えるだけでも、「この会社は活動している」「人の温度感がある」という印象を訪問者に与えられます。完璧な文章を目指す必要はなく、更新すること自体に価値があるのです。採用活動においても、社内の雰囲気が伝わるコンテンツは「この会社で働いてみたい」と思ってもらえるきっかけになります。求人サイトだけでは伝わらない社風や人柄を、自社のホームページで発信できるのは大きなメリットです。
更新頻度は月1〜2回で十分、質と継続が重要
「更新が大事」と言われると「毎日書かなければならないのか」と身構える方がいますが、中小企業のホームページであれば月1〜2回の更新で十分です。毎日更新して中身のない記事を量産するよりも、月1回でも読み手にとって有益な情報を発信する方が効果的です。
| 更新頻度 | 評価 | 具体的な運用イメージ |
|---|---|---|
| 週1回以上 | 理想的 | ブログ型の情報発信をしている企業向け |
| 月1〜2回 | 十分 | 事例紹介やお知らせを定期的に投稿 |
| 3ヶ月に1回 | 最低ライン | 季節ごとの情報や実績を投稿 |
| 半年以上更新なし | 危険 | 訪問者に不信感を与え、検索評価にも悪影響 |
重要なのは「無理のないペースで継続すること」です
投稿のネタに困らないように、あらかじめ年間の更新カレンダーを作っておくのも有効です。1月は新年の挨拶と今年の目標、4月は新サービスや新スタッフの紹介、といった具合に大枠を決めておけば、毎月「何を書こう」と悩む手間が省けます。
更新を続けるための社内体制の作り方
「更新の重要性はわかったが、実際には時間がなくて続けられない」という声も多く聞きます。ホームページの更新が続かない最大の理由は「誰が」「いつ」「何を」投稿するかが決まっていないことです。
担当者を決めてネタ出しのルールを作る
まず、ホームページの更新担当者を1人決めてください。全員の共有タスクにすると「誰かがやるだろう」で誰もやらなくなります。担当者は文章力のある人でなくても構いません。スマートフォンで写真を撮って、3〜5行のコメントを書ける人であれば十分です。
ネタ出しについては、以下のルールを社内で共有するだけで回ります。
- 新しい仕事が完了したら写真を1枚撮る
- お客様からよく聞かれる質問をメモしておく
- 社内で変化があった時(新スタッフ、資格取得、設備導入など)は更新担当者に共有する
- 月末に「今月のネタ」を5分間だけ振り返る時間を設ける
これだけで、月1〜2本の投稿ネタは自然と集まります。文章のクオリティを気にしすぎて投稿できないよりも、多少粗くても投稿する方がはるかにましです。(完璧な文章を書こうとして3ヶ月放置するのが最悪のパターンです)
外注を活用すれば月1万円から更新を丸投げできる
「社内で更新する時間がどうしても取れない」という場合は、外部の保守会社に更新を委託するのが現実的な解決策です。Web担当者を1人雇えば月給20〜30万円のコストがかかりますが、外部委託であれば月額1万円程度からホームページの更新作業を依頼できます。
外注する場合のポイントは以下のとおりです。
- 投稿の元ネタ(写真やメモ)だけ社内で用意し、記事化は外注に任せる
- 月に何回の更新が含まれるか、契約前に確認する
- テキストの修正や画像の差し替えも対応範囲に含まれるか確認する
- WordPress(ワードプレス)の操作代行だけでなく、投稿内容の提案までしてくれる会社が理想
本業が忙しい中小企業にとって、ホームページの更新に割ける時間は限られています。無理に自社で抱え込んで更新が止まるよりも、外部のプロに任せて継続的に発信し続ける方が、結果的にコストパフォーマンスは高くなります。「社内でやろうとして結局3年間放置してしまった」という相談は珍しくありません。(やる気の問題ではなく、仕組みの問題です。本業が忙しければ優先度の低いタスクは後回しになるのは当然です)
放置サイトが招くセキュリティリスクも見逃せない
お知らせ欄の更新が止まっているサイトは、WordPress本体やプラグインの更新も放置されている可能性が高いです。弊社が引き継いだ「お知らせ放置サイト」のうち、約7割がWordPressのバージョンが2世代以上古い状態でした。
WordPressの公式サイトでは、セキュリティの観点から常に最新バージョンへの更新が推奨されています(出典 WordPress.org 最新バージョンを使う理由)。古いバージョンのまま放置されたサイトは、既知の脆弱性(セキュリティ上の弱点)を突かれて改ざんされるリスクが格段に高くなります。
改ざんされたサイトは、フィッシング詐欺のページに書き換えられたり、訪問者のパソコンにマルウェア(ウイルス)をダウンロードさせたりする踏み台にされます。こうなると、自社の信用が失墜するだけでなく、Googleの検索結果に「このサイトは危険です」という警告が表示され、事実上サイトへのアクセスが遮断されます。復旧には専門家への依頼が必要になり、費用は数万円〜数十万円に上ります。
お知らせ欄の放置とセキュリティリスクは、一見すると別の問題に見えますが、根は同じです。「ホームページに手をかけていない」という状態が、コンテンツの陳腐化とセキュリティの劣化を同時に引き起こすのです。お知らせを更新するタイミングで、WordPressの管理画面にログインしてプラグインの更新状況を確認する。この習慣だけでも、セキュリティリスクは大幅に軽減されます。
お知らせ欄を「営業ツール」に変える具体的なテンプレート
「何を書けばいいかわからない」という方のために、すぐに使えるお知らせ投稿のテンプレートを紹介します。テンプレートに沿って情報を埋めるだけで、質の高い投稿が完成します。
施工事例・実績紹介のテンプレート
施工業・製造業・サービス業など、完了した仕事を紹介する際のテンプレートです。
| 項目 | 記載内容の例 |
|---|---|
| タイトル | 〇〇市の〇〇様邸で外壁塗装工事を完了しました |
| 概要 | 築15年の戸建て住宅の外壁塗装を施工。シリコン系塗料を使用し、工期は10日間 |
| 写真 | 施工前・施工後の写真を各1枚以上 |
| ポイント | お客様のご要望や工夫した点を1〜2文 |
| 締めの一言 | 同様のご相談はお気軽にお問い合わせください |
このテンプレートに沿って投稿すれば、1本あたり15〜30分で作成できます。完璧な文章は不要です。「いつ」「どこで」「何をしたか」が伝わればそれで十分です。
お客様の声・感想紹介のテンプレート
お客様からいただいた感想やレビューを、許可を得たうえで紹介する形式です。
- お客様の属性(業種・地域など、差し支えない範囲で)
- ご依頼の背景(どんな課題を抱えていたか)
- お客様の声(原文をそのまま、または要約して掲載)
- 自社からのコメント(感謝の言葉と今後の対応)
お客様の声は、第三者からの評価として信頼性が非常に高いコンテンツです。口コミサイトやSNSでの評判を気にする人が増えている中、自社サイトにも生の声を掲載しておくことで、問い合わせのハードルを下げる効果があります。Googleビジネスプロフィールの口コミと合わせて、自社サイトにもお客様の声を蓄積していくと、サイト全体の説得力が格段に上がります。
お知らせ以外のページも「生きている証拠」を残す
お知らせ欄の更新に加えて、サイト全体に「このサイトは現在も運営されている」という証拠を残すことも重要です。具体的には以下の点を確認してください。
- フッターの著作権表記の年号が最新になっているか(「Copyright 2020」のままになっていないか)
- 料金表やサービス内容が現在の実態と一致しているか
- 会社概要の住所・電話番号・代表者名が正しいか
- 採用情報ページに「2022年度 新卒募集」のような古い情報が残っていないか
- トップページのスライドショーやバナーが何年も前のキャンペーンのままになっていないか
フッターの著作権年号が古いのは、特に見落とされがちなポイントです。サイト全体の一番下に「Copyright 2019 〇〇株式会社」と表示されていると、訪問者は「このサイトは2019年から更新されていない」と判断します。(実際にはただ年号を更新していないだけでも、訪問者にはそう見えます)
料金やサービス内容が実態と異なっている場合はさらに深刻です。旧料金で問い合わせが来て「今はこの金額ではありません」と伝えるのは、双方にとって時間の無駄であり、信頼を損なう原因になります。弊社が引き継いだサイトの中にも、3年前に終了したキャンペーンのバナーがトップページに表示されたままのサイトがありました。(お客様から「このキャンペーンまだやってますか?」と問い合わせが来て初めて気づいたそうです)
お知らせ欄の更新と合わせて、半年に1回はサイト全体の情報が最新かどうかを棚卸しすることを推奨します。棚卸しのチェックリストを作っておけば、毎回悩まずに済みます。サイト全体の情報鮮度を保つことは、お知らせ欄の更新と同じくらい重要です。
最後に
お知らせ欄は、ホームページの「心拍数」のようなものです。定期的に更新されていれば、訪問者は「この会社は活動している」と安心します。逆に、更新が止まっていれば「この会社は大丈夫か」と不安になります。夏季休暇と年末年始の定型文だけでは、ホームページは営業ツールとして機能しません。月1回でも、実績の紹介やよくある質問への回答を投稿するだけで、サイトは「生きている状態」になります。大切なのは完璧な記事を書くことではなく、継続的に発信し続けることです。
Web管理では、月額1万円からホームページの更新作業を代行しています。「何を投稿すればいいかわからない」「更新の時間が取れない」という方には、投稿ネタの提案から記事作成、WordPress(ワードプレス)への投稿代行まで一括で対応します。お知らせ欄の放置が気になっている方は、まずはお気軽にご相談ください。Webのことは丸投げして、本業に集中できる環境を一緒に作りましょう。



