ホームページの修正を外注したのに、仕上がりが思っていたものと違う。「もっとシンプルにしてほしかったのに派手になった」「色味が全然イメージと違う」「レイアウトが崩れてしまった」。こうした齟齬は、依頼者と制作者の間で日常的に発生しています。原因のほとんどは、依頼の出し方にあります。「いい感じにしてください」「もう少し見やすくしてください」といった曖昧な指示では、制作者は依頼者の頭の中にあるイメージを読み取ることができません。修正の依頼は「正しく伝える技術」です。この記事では、サイト修正を依頼する際に、思い通りの仕上がりを得るための具体的な伝え方を解説します。
修正依頼がイメージと違う仕上がりになる最大の原因は「曖昧な指示」
サイト修正の仕上がりが依頼者のイメージと食い違う原因の大半は、依頼内容の曖昧さにあります。「もう少しおしゃれにしてください」「なんとなく堅い印象なので柔らかくしてください」といった抽象的な表現は、受け取る側によって解釈が全く異なります。「おしゃれ」の定義は人によって違いますし、「柔らかい」が色味を指すのかフォントを指すのかレイアウトを指すのかもわかりません。
弊社が保守を引き継いだサイトのオーナーから聞いた話では、「前の制作会社に修正をお願いしたら3回やり直してもらっても満足できなかった」というケースが少なくありません。やり直しのたびに追加費用が発生し、最終的には当初の予算の2倍以上になったという事例もあります(HP修正の依頼先はどこがベスト?業者比較も参考にしてください)。(正直、これは制作会社の技術力の問題ではなく、伝え方の問題であることがほとんどです)
修正依頼を出す前に「自分が何を求めているのか」を言語化する(HPの更新・修正を外部に依頼する方法で依頼全体の流れもご確認いただけます)。これが、イメージ通りの仕上がりを得るための第一歩です。言語化が難しいと感じたら、次の章以降で紹介する具体的なテクニックを活用してください。
修正箇所はスクリーンショットと赤枠で視覚的に伝える
テキストだけの修正依頼は、制作者が修正箇所を特定するまでに無駄な時間がかかります。「トップページの上のほうにあるバナーを変更してほしい」と伝えても、「上のほう」がヘッダーなのかメインビジュアルなのか、その下のセクションなのかが制作者には判断できません。画面の構成は制作者と依頼者で認識がずれやすい部分です。
スクリーンショットに赤枠や矢印を入れる方法が最も確実
最も確実な方法は、修正したい箇所のスクリーンショットを撮り、該当部分を赤い枠や矢印で囲んで送ることです。WindowsならSnipping Tool、MacならCommand+Shift+4でスクリーンショットを撮影できます。撮影した画像にペイントソフトやPowerPointで赤枠を入れるだけで、修正箇所の特定にかかる時間が大幅に短縮されます。
スマートフォンでの表示に問題がある場合は、スマートフォンのスクリーンショットも添付してください。パソコンとスマートフォンでは表示が異なるため、どちらのデバイスで見たときの問題なのかを明確にすることが重要です。「スマホで見たらレイアウトが崩れている」と言葉だけで伝えるよりも、実際にスマートフォンで撮影した画面を見せるほうが、制作者は一目で問題を把握できます。
修正箇所が複数ある場合は番号を振って一覧化する
1回の依頼で複数箇所の修正を依頼する場合は、修正箇所ごとに番号を振り、スクリーンショット上にも対応する番号を記載してください。メールやチャットの本文で「修正1 ヘッダーのロゴサイズを現在の80%に縮小」「修正2 メインビジュアルの画像を添付の画像に差し替え」のように一覧化すると、制作者は作業を漏れなく進めることができます。
修正箇所を箇条書きにせず長文で書き連ねると、制作者が読み落とすリスクが高まります。弊社でも修正依頼を受け付ける際は、「1件につき1項目」の形式でお送りいただくようお願いしています。修正依頼は「相手がすぐに作業に取りかかれる形」で送ることが、結果的に仕上がりの精度を上げるコツです。
色やデザインの指示は「参考サイトのURL」と「具体的な数値」で伝える
デザインに関する修正依頼は、最も認識のズレが起きやすい領域です。「もう少し明るい色にしてください」と言っても、明るさの基準は人それぞれです。「温かみのある雰囲気にしてほしい」と言われても、制作者によってオレンジ系を連想する人もいれば、ベージュ系を連想する人もいます。
参考サイトのURLを添えて「ここのこの部分のような雰囲気」と伝える
デザインのイメージを伝える最も効果的な方法は、参考サイトのURLを添えることです。「このサイトのヘッダーのような配色にしてほしい」「このサイトのフッターのレイアウトを参考にしてほしい」のように、具体的なURLと該当箇所を指定します。参考サイトは1つだけでなく、2〜3サイト提示すると、依頼者が求めている方向性を制作者がより正確に読み取れます。
参考サイトを探す際は、同業他社のサイトにこだわる必要はありません。異業種のサイトでも「この色の使い方が好き」「このボタンの形がわかりやすい」といった部分的な参考として活用できます。大事なのは「イメージの共有」であって、サイト全体を真似ることではありません。
色は「カラーコード」で指定すると齟齬がなくなる
色の指示は、可能であればカラーコード(#FFFFFFのような6桁の英数字)で指定してください。「青」だけでは、ネイビーなのか水色なのかロイヤルブルーなのか伝わりません。カラーコードがわからない場合は、参考サイトの色を直接指して「このサイトのヘッダーと同じ青色」と伝えるだけでも精度が上がります。
Googleで「カラーピッカー」と検索すると、ブラウザ上で色を選んでカラーコードを確認できるツールが表示されます。また、Google Chromeの拡張機能「ColorZilla」を使えば、Webページ上の色を直接抽出してカラーコードを取得することも可能です。こうしたツールの使い方がわからない場合は、制作会社に「この参考サイトのここと同じ色にしてください」と伝えるだけで十分です。制作者側でカラーコードを抽出してくれます。
テキスト修正は「修正前」と「修正後」を両方記載する
テキストの修正を依頼する際、「この部分を修正してください」とだけ伝えて修正後の文面を記載しないケースがあります。すると制作者は「どう修正すればいいのか」がわからず、確認のやり取りが発生します。テキスト修正は、修正前と修正後の両方を記載するのが鉄則です。
修正前後の対比を明確にすると作業ミスが防げる
テキスト修正の依頼は、以下のような形式が最も確実です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 修正箇所 | 会社概要ページの「代表挨拶」セクション2段落目 |
| 修正前 | 弊社は2010年に設立しました。 |
| 修正後 | 弊社は2010年に設立し、2025年で創業15周年を迎えました。 |
このように記載すれば、制作者は修正箇所を特定し、正確に修正内容を反映できます。修正前のテキストを記載する理由は、同じページ内に似たような表現が複数ある場合に、制作者が間違った箇所を修正するリスクを防ぐためです。
新規テキストの追加は「どこに」「どのように」入れるかを明記する
新しいテキストや画像を追加する場合は、「どのセクションの、どの位置に、どのような形式で入れるか」を具体的に指示します。「お知らせのページに新しい記事を追加してください」だけでは、記事の内容、掲載日、掲載位置が不明です。以下の情報を揃えて依頼すると、やり取りの回数を最小限に抑えられます。
- 掲載するページ名(またはURL)
- 掲載位置(既存コンテンツの上か下か、特定の要素の前後か)
- 掲載する内容の全文(テキスト、画像ファイル名など)
- 見出しの有無とレベル(H2、H3など)
- リンクの有無とリンク先URL
ここまで指示を出すのは面倒に感じるかもしれません。しかし、曖昧な依頼を出して確認のやり取りを3往復するよりも、最初に必要な情報をすべて伝えたほうが、結果的に早く仕上がります。(修正依頼のやり取りで一番時間がかかるのは、修正作業そのものではなく「確認のためのコミュニケーション」です)
画像の差し替えは「ファイル名」「サイズ」「配置」をセットで伝える
画像の差し替えや追加を依頼する際、画像ファイルだけを送って「これに差し替えてください」と伝えるケースがあります。しかし、これだけでは情報が不足しています。制作者が確認したいのは、画像のファイルそのものだけではありません。
画像差し替えの依頼に必要な情報
| 必要な情報 | 具体例 |
|---|---|
| 差し替え箇所 | トップページのメインビジュアル(スクリーンショット添付) |
| 画像ファイル | new_mainvisual.jpg(添付) |
| 表示サイズ | 横幅いっぱい(現在と同じ)、または「横1200px×縦400pxに収まるように」 |
| トリミング指示 | 「右側の人物を中心にトリミングしてほしい」など |
| alt属性 | 「株式会社〇〇 本社外観」など画像の説明テキスト |
特に注意が必要なのは画像のサイズです。スマートフォンで撮影した写真をそのまま送ると、ファイルサイズが3MB〜5MBになることがあります。そのままサイトに掲載すると表示速度が大幅に低下します。Googleはページの表示速度を検索順位の評価要素に含めており、画像の最適化は検索順位にも影響します(出典 Google Search Central ページエクスペリエンスの概要)。制作会社に画像を送る際は、「表示速度に影響しない範囲で最適化してほしい」と一言添えておくと安心です。
依頼の優先順位と期限を明確にすると仕上がりの精度が上がる
複数の修正を一度に依頼する場合、どの修正を優先してほしいのかを明示してください。すべてが同じ優先度で送られると、制作者は自分の判断で作業順を決めることになります。その結果、依頼者が急いでいた修正が後回しになることがあります。
優先度は「高・中・低」の3段階で十分
修正の優先度は複雑に分類する必要はありません。「高 すぐに対応してほしい」「中 今週中に対応してほしい」「低 時間のあるときでよい」の3段階で伝えれば、制作者は作業の順序を適切に判断できます。
特に、サイトの表示に直接影響する修正(リンク切れ、表示崩れ、誤った情報の掲載など)は、優先度を「高」と明記してください。一方、デザインの微調整や文言の変更など、表示に支障がない修正は優先度「中」や「低」で問題ありません。この区分をつけるだけで、本当に急ぎの修正が後回しになるリスクを防げます。
「いつまでに」を日付で指定するとスケジュールの齟齬がなくなる
「なるべく早く」「急ぎでお願いします」という表現は、人によって解釈が異なります。「なるべく早く」が依頼者にとっては「今日中」でも、制作者にとっては「3営業日以内」かもしれません。期限は「〇月〇日の〇時まで」と具体的な日時で指定してください。
ただし、無理な期限を設定すると作業品質が下がる可能性があります。修正内容に対して現実的な期限を設定し、急ぎの場合は事前に「対応可能か」を確認することが、結果的にイメージ通りの仕上がりにつながります。制作会社側のスケジュールを無視した依頼は、やっつけ仕事を招く原因になります。
「やってほしくないこと」を伝えるだけで仕上がりのズレが減る
修正依頼では「こうしてほしい」だけでなく、「これはやらないでほしい」を伝えることも重要です。制作者は良かれと思って依頼範囲を超えた調整を加えることがあります。「ここの色を変えてほしい」と依頼したら、周辺の色も一緒に調整されて全体の印象が変わってしまった。こういったケースは、「変更するのはこの箇所だけ。他の部分は一切触らないでください」と一言添えるだけで防げます。
「変更範囲の限定」は修正精度を上げる最も簡単な方法
修正依頼には「変更範囲」を必ず明記してください。具体的には、以下のような書き方です。
- 「変更するのはヘッダーのロゴサイズのみ。ナビゲーションの配置は変更しないでください」
- 「フッターの電話番号を修正してください。フッターのレイアウトは現状のままでお願いします」
- 「トップページのメインビジュアルのみ差し替え。下層ページのビジュアルはそのままにしてください」
制作者の立場からすると、「やってほしくないこと」が明確に書かれている依頼は非常に助かります。変更範囲がはっきりしていれば、余計な作業をして依頼者の意図と異なる仕上がりになるリスクがなくなるからです。依頼者が「言わなくてもわかるだろう」と思っていることほど、明示的に伝える価値があります。(制作者はエスパーではありません。書かれていないことは判断できないのが当然です)
修正依頼のテンプレートを使えば毎回の手間が省ける
修正依頼のたびに必要な情報を一から書き出すのは手間がかかります。テンプレートを用意しておけば、空欄を埋めるだけで過不足のない依頼が完成します。以下は、弊社でクライアントにお渡ししている修正依頼テンプレートの一例です。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 依頼日 | 2025年4月1日 |
| 修正対象ページ | 会社概要ページ(https://example.com/company/) |
| 修正箇所 | 代表挨拶セクションの2段落目(スクリーンショット添付) |
| 修正内容 | 修正前「設立10周年」→ 修正後「設立15周年」 |
| 変更範囲 | テキストのみ。レイアウト変更なし |
| 優先度 | 中(今週中に対応希望) |
| 添付ファイル | 修正箇所のスクリーンショット(赤枠つき) |
| 備考 | 他のページに同様の記述があれば、そちらも合わせて修正をお願いします |
修正費用の相場感は「修正一箇所5000円」と言われるのが高い理由も参考になります。このテンプレートをメールやチャットツールの下書きに保存しておけば、修正のたびにコピーして使い回せます。テンプレートの存在自体が「伝え漏れ」の防止策になります。項目を見れば「そういえばスクリーンショットを添付していなかった」「変更範囲を書き忘れていた」と気づけるからです。
制作会社とのコミュニケーション手段も仕上がりに影響する
修正依頼のやり取りに使うツールも、仕上がりの精度に影響します。電話だけで修正を依頼するのは避けてください。口頭での指示は聞き間違いや記憶違いが起きやすく、「言った・言わない」のトラブルの原因になります。修正依頼は、必ずテキストベースの記録が残る方法で行うのが原則です。
メールやチャットで記録を残すことが「言った・言わない」を防ぐ
修正依頼は、メール、チャットツール(Chatwork、Slackなど)、またはプロジェクト管理ツール(Backlog、Trelloなど)で行うのが望ましいです。テキストで記録が残るため、後から内容を確認できますし、制作者も依頼内容を見返しながら正確に作業できます。
中小企業の場合、Chatworkを利用している制作会社が増えています。チャットツールはメールよりもやり取りのスピードが速く、画像やファイルの共有も簡単です。ただし、チャットはメッセージが流れやすいため、修正依頼が他の会話に埋もれないよう、タスク機能を活用するか、依頼ごとにスレッドを分けることをおすすめします。
電話で補足する場合も「要点をテキストで送り直す」のが鉄則
複雑な修正を電話で補足説明することは問題ありません。ただし、電話の後に必ず「先ほどお電話でお伝えした修正内容のまとめです」とテキストで要点を送り直してください。電話だけで完結させると、依頼者と制作者の認識のズレに気づかないまま作業が進んでしまいます。テキストでの確認を挟むことで、齟齬を事前に発見できます。
経済産業省が公開している「DXレポート」でも、業務のデジタル化やコミュニケーションの文書化が推奨されています(出典 経済産業省 DXレポート)。サイト修正の依頼も同様で、口頭のやり取りをテキストに落とし込むことは、品質管理の基本です。
修正後の確認は「依頼内容との照合」で行う
制作者から「修正が完了しました」と連絡が来たら、依頼内容と仕上がりを照合する確認作業が必要です。修正後のサイトを「なんとなく」見て「大丈夫そう」で済ませてしまうと、後から修正漏れに気づいて追加の依頼が発生します。
確認時のチェックポイント
- 依頼した修正がすべて反映されているか(修正箇所のリストと照合)
- 修正していない箇所が意図せず変更されていないか
- パソコンとスマートフォンの両方で表示を確認したか
- リンクの追加・変更がある場合、リンク先は正しいか
- 画像の差し替えがある場合、表示サイズやトリミングはイメージ通りか
確認は、できれば依頼を出した当日か翌日に行ってください。時間が経つと依頼内容の記憶が薄れ、細かい部分の照合が甘くなります。修正直後に確認し、問題があればすぐにフィードバックを返す。このサイクルを短くするほど、やり直しの回数が減り、最終的な仕上がりの精度が上がります。
修正に問題があった場合のフィードバックも「具体的に」伝える
確認した結果、修正内容に問題がある場合は、最初の依頼と同様に「具体的に」フィードバックを伝えてください。「なんか違う」「もうちょっと調整してほしい」では、制作者はどこをどう修正すればよいのかわかりません。「指定した色よりも濃くなっているので、カラーコード#3366FFに変更してほしい」「画像のトリミング位置がもう少し左寄りにしてほしい(修正イメージをスクリーンショットで添付)」のように、修正の方向性を明確に伝えましょう。
最後に
サイト修正の仕上がりをイメージ通りにするために必要なのは、制作者の技術力だけではありません。依頼者側の「伝え方」が仕上がりの品質を大きく左右します。スクリーンショットを添付する、修正前後のテキストを両方記載する、参考サイトのURLを添える、変更範囲を限定する。どれも特別な技術は必要なく、少しの手間をかけるだけで実践できることばかりです。修正依頼のやり取りがスムーズになれば、追加費用や無駄な待ち時間も削減でき、サイトの改善スピードも上がります。
Web管理では、修正依頼の受付からサイトへの反映まで、ワンストップで対応しています(HP更新代行のサービス内容もご覧ください)。「どう伝えればいいかわからない」「修正のやり取りに時間がかかって困っている」という方も、ざっくりとしたご要望をお伝えいただければ、こちらから確認事項を整理してご提案します。Webのことは丸投げして、本業に集中できる環境を一緒に作りましょう。




