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2026.04.04

クリニックのホームページ更新・運用ガイド 患者の信頼を勝ち取る保守のポイント

クリニックのホームページは、患者が来院を決める前に必ず確認する「信頼の窓口」です。診療時間が古いまま、医師の紹介ページが更新されていない、スマートフォンで見づらい。こうした状態のサイトは、患者の信頼を失い、来院機会を逃す原因になります。弊社が保守を引き継いだクリニックのサイトでも、診療時間の誤表記が数か月間放置されていたケースがありました。(その間、何件の電話問い合わせが無駄になったかは計り知れません)。この記事では、クリニックのホームページ運用で押さえるべきポイントを、運用保守の現場視点で解説します。

クリニックのホームページは「放置」が最大のリスク

クリニックのホームページで最も多い問題は、開設後の放置です。制作会社にサイトを作ってもらい、その後は一度も更新していないクリニックは少なくありません。しかし、クリニックのサイトには他の業種にはない特有のリスクがあります。

まず、診療情報の誤表記は患者のクレームに直結します。一般企業のサイトで情報が古くても「問い合わせてみよう」で済む場合がありますが、クリニックの場合は「診療時間を見て行ったら休診だった」「予約して行ったら対応していない診療科だった」という事態になります。患者にとっては体調が悪い中で足を運んでいるため、怒りの度合いも大きくなります。

さらに、厚生労働省は「医療機関のウェブサイト等の取扱いについて」において、医療広告ガイドラインの対象にウェブサイトを含めています(出典 厚生労働省 医療広告規制)。虚偽・誇大な表現はもちろん、古い情報の放置も患者に誤解を与える原因となり、ガイドライン違反のリスクを抱えることになります。ホームページの放置は、クリニックの信用問題に直結するのです。

診療時間・休診情報の更新は「即日対応」が原則

クリニックのホームページで最も更新頻度が高く、かつ正確性が求められるのが診療時間と休診情報です。年末年始、お盆、学会出席、急な休診。こうした情報がサイトに反映されていないと、患者は無駄足を踏むことになります。

診療時間の表記はテーブル形式で統一すべき

診療時間は文章で書くよりも、テーブル形式で一覧表示するのが最も見やすい形式です。曜日ごとの午前・午後の診療時間、休診日を一目で把握できるようにしてください。

曜日 午前 午後
月〜金 9:00〜12:30 15:00〜18:30
9:00〜13:00 休診
日・祝 休診 休診

このテーブルをトップページとアクセスページの両方に設置し、変更があれば即座に反映する体制を作ることが重要です。弊社の保守プランでは、休診情報の更新依頼を受けてから原則当日中に反映しています。(翌日に反映では、その日のうちに来院しようとする患者には間に合いません)

臨時休診はトップページに目立つ形で告知する

臨時休診や診療時間の変更は、トップページのファーストビュー(ページを開いて最初に目に入る範囲)に掲載すべきです。お知らせ欄の中に埋もれていては見落とされます。背景色を変えた告知バナーや、画面上部に固定表示される帯状の通知を使うと効果的です。WordPressであれば、カスタムフィールドやプラグインを使って「臨時休診情報」の入力・表示を簡単に管理できます。

医師紹介・スタッフ情報は患者の安心感に直結する

患者がクリニックを選ぶ際、医師の経歴や専門分野は最も重視される情報の一つです。初めてのクリニックに行く前に「どんな先生がいるのか」をホームページで確認するのは、もはや当たり前の行動です。にもかかわらず、医師紹介ページが充実していないクリニックのサイトは驚くほど多いです。

医師のプロフィールに記載すべき情報

  • 氏名・顔写真(顔が見えるだけで安心感は大きく変わる)
  • 出身大学・研修先の病院名
  • 専門医資格・認定医資格
  • 得意な診療分野
  • 患者へのメッセージ(一言でも人柄が伝わる)

特に顔写真の有無は重要です。顔写真がないクリニックのサイトは、患者にとって「何か事情があるのか」という不安材料になります。実際に、医師の顔写真とメッセージを追加しただけで予約数が増加したクリニックもあります。写真は白衣姿で柔らかい表情のものが最適です。プライベート写真の流用や、画質の荒い写真は逆効果になります。

非常勤医師の担当曜日は定期的に見直す

複数の医師が在籍するクリニックでは、非常勤医師の担当曜日が変わることがあります。サイト上の担当医表が実態と異なっていると、「あの先生に診てもらおうと思って来たのに、今日はいない」というクレームにつながります。非常勤医師の勤務スケジュールは月に一度は見直し、変更があれば即座にサイトへ反映する運用ルールを決めておくべきです。

医療広告ガイドラインに違反しないための運用ルール

クリニックのホームページは医療広告ガイドラインの規制対象です。2018年の医療法改正により、ウェブサイトも広告規制の対象に含まれました。違反した場合は行政指導の対象となり、最悪の場合は是正命令や罰則が科される可能性があります。

ホームページに掲載してはいけない表現

禁止される表現 具体例 理由
虚偽広告 「治癒率100%」「絶対に治る」 客観的事実に基づかない表現
比較優良広告 「地域No.1の実績」「最高の技術」 他の医療機関と比較して優れている旨の表現
誇大広告 「最新鋭の設備を完備」(実際は一般的な機器のみ) 事実を不当に誇張する表現
患者の体験談 「この治療で長年の悩みが解消しました」 個人の感想は誘引性が高いとみなされる
ビフォーアフター写真(条件付き) 治療前後の写真のみ掲載(説明なし) 治療内容・リスク・費用の併記が必要

厚生労働省の医療広告ガイドラインでは、「患者等の主観に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談」の掲載を禁止しています(出典 厚生労働省 医療広告ガイドライン)。口コミや患者の声をそのまま掲載しているクリニックのサイトは見直しが必要です。(「患者の声を載せたい」という気持ちは理解できますが、ガイドライン違反になるリスクを冒す価値はありません)

自由診療のページには治療内容・リスク・費用を必ず併記する

美容皮膚科や自由診療メニューを掲載する場合、治療内容の説明だけでなく、副作用やリスク、費用の目安を併記する必要があります。「詳しくはお問い合わせください」だけでは不十分です。ガイドラインでは、自由診療に関する情報提供として「通常必要とされる治療内容」「治療に係る主なリスク・副作用」「費用」の記載を求めています。この3点がセットで記載されていないページは、運用の中で早急に修正すべきです。

スマートフォン対応は患者の年齢層を問わず必須

「うちの患者さんは高齢者が多いからスマホ対応は不要」と考えるクリニックがありますが、これは誤った認識です。総務省の令和5年通信利用動向調査によると、60代のスマートフォン保有率は約87%、70代でも約70%に達しています(出典 総務省 通信利用動向調査)。さらに、高齢の患者本人がスマートフォンを使わなくても、家族がスマホでクリニックの情報を調べて来院先を決めるケースは非常に多いです。

スマホで確認すべきポイント

  • 電話番号がタップで発信できるか(aタグのtel属性が設定されているか)
  • 診療時間の表が画面内に収まっているか(横スクロールが発生していないか)
  • 地図がピンチ操作で拡大できるか(画像の貼り付けではなくGoogle Maps埋め込みか)
  • 予約ボタンやフォームが指でタップしやすいサイズか
  • 文字サイズが小さすぎないか(最低14px以上が推奨)

特に電話番号のタップ発信は、クリニックのサイトでは最重要の機能です。スマホで「電話する」ボタンを押すだけで発信できる状態になっていなければ、患者は電話番号を手入力する手間が発生し、そこで離脱する可能性があります。スマホ対応ができていないクリニックのサイトは、毎日患者を逃していると言っても過言ではありません

Googleもモバイルフレンドリーなサイトを検索結果で優遇する方針を明確に打ち出しています。「〇〇科 〇〇駅」のようなローカル検索で上位に表示されるかどうかは、スマホ対応の有無に大きく左右されます。実際に弊社が保守を引き継いだクリニックで、スマホ対応と電話タップの設定を行ったところ、電話での予約問い合わせが増加したケースがあります。スマホ対応は患者の利便性だけでなく、検索経由の集患力にも直結する施策です。

予約システムとの連携で更新の手間を減らせる

近年、Web予約システムを導入するクリニックが増えています。予約システムとホームページを適切に連携させることで、患者の利便性が大幅に向上し、受付スタッフの電話対応の負担も軽減できます。

予約システム導入時にホームページ側で必要な対応

  • トップページに予約ボタンを目立つ位置に設置する
  • スマホ表示時にも予約ボタンが常に表示される(固定フッターバーなど)ようにする
  • 予約システムの埋め込み(iframe)がスマホでも正常に表示されるか確認する
  • 予約システム側のデザイン(色・フォント)をサイト全体のトーンと統一する

予約システムは外部サービス(デジスマ診療、CLINICS、Airリザーブなど)を利用するケースが多いですが、ホームページとの連携部分はクリニック側または保守担当者が設定する必要があります。予約システムのURLをただリンクとして貼るだけでは不十分です。患者が迷わず予約完了できるよう、動線を設計する必要があります。(予約ボタンが見つからなくて電話をかけてくる患者が多い場合は、ボタンの配置を見直すべきサインです)

予約システム導入後もホームページの更新は必要

予約システムを導入したからといって、ホームページの更新が不要になるわけではありません。予約システムはあくまで「予約を受け付ける機能」であり、クリニックの情報発信はホームページが担います。新しい診療メニューの追加、設備の導入、医師の変更といった情報は、予約システムではなくホームページで発信する必要があります。予約システムとホームページの役割を混同して、「予約システムがあるからホームページは放置でいい」と考えるのは危険です。予約システムがどれだけ優秀でも、ホームページの情報が古ければ、患者はそのクリニックに不安を感じて予約に至りません。

WordPressで運用するクリニックサイトの保守は最低限ここを押さえる

クリニックのサイトはWordPressで構築されているケースが多いです。WordPressは世界中のウェブサイトの約43%で使用されており(出典 W3Techs WordPress Usage Statistics)、クリニック向けテーマも豊富に存在します。しかし、WordPressは適切な保守を行わないとセキュリティリスクが急激に高まるCMSでもあります。

クリニックサイトで特に注意すべき保守項目

保守項目 推奨頻度 放置した場合のリスク
WordPress本体の更新 月1回 脆弱性を突かれてサイト改ざん・マルウェア感染
プラグインの更新 月1〜2回 プラグイン経由の不正アクセス
バックアップ 週1回以上 障害時にサイトを復旧できない
SSL証明書の確認 月1回 証明書切れで「安全でないサイト」と表示される
問い合わせフォームの動作確認 月1回 患者からの問い合わせメールが届かない

特にクリニックのサイトが改ざんされた場合の影響は深刻です。サイトにアクセスした患者のPCがマルウェアに感染する可能性があり、医療機関としての信用が大きく損なわれます。「うちは小さなクリニックだから狙われない」という認識は間違いです。攻撃者は規模に関係なく、脆弱性のあるサイトを自動的にスキャンして攻撃します。(むしろ、セキュリティ対策が甘い小規模サイトのほうが狙われやすいのが実態です)

また、クリニックのサイトには患者の個人情報が関わる問い合わせフォームや予約機能が設置されていることが多く、セキュリティ侵害が起きた場合は個人情報漏洩の問題にも発展します。個人情報保護委員会への報告義務が生じるケースもあり、医療機関としての社会的信用を失う事態になりかねません。WordPressの保守は「面倒だから後回し」にして良い作業ではなく、クリニック経営におけるリスク管理の一環として捉えるべきです。

問い合わせフォームのメール不達は「見えない機会損失」

患者が問い合わせフォームから送信したメールが、クリニック側に届いていないケースは想像以上に多いです。原因はサーバーのメール設定の問題、迷惑メールフィルタへの振り分け、フォームプラグインの設定ミスなど多岐にわたります。問い合わせフォームは設置して終わりではなく、定期的にテスト送信を行い、正常にメールが届くことを確認する運用が必要です。月に1回、自分のスマートフォンからフォームを送信して確認するだけで、この問題は防げます。

Googleビジネスプロフィールとホームページの情報を一致させる

クリニック名で検索したとき、Google検索結果の右側に表示されるのがGoogleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)です。患者はこの情報を見て診療時間や電話番号を確認することが多く、ホームページよりも先に目に入る情報です。ここに表示される情報とホームページの情報が食い違っていると、患者は混乱します。

情報の不一致が起きやすいポイント

  • 診療時間(特に土曜日の午後や祝日の扱い)
  • 電話番号(代表番号と予約専用番号が異なる場合)
  • 住所の表記揺れ(「丁目」「番地」の書き方の違い)
  • 休診日の設定(年末年始やお盆の特別休診)

Googleビジネスプロフィールの情報更新は無料で行えますが、更新を忘れがちなのが実情です。ホームページの診療時間を変更した際は、同時にGoogleビジネスプロフィールも更新するルールを徹底してください。「ホームページを更新したら、Googleビジネスプロフィールも更新する」。この2つをセットの作業として運用フローに組み込むことが重要です。保守業者にホームページの更新を依頼する際、「Googleビジネスプロフィールも同時に更新してほしい」と伝えておけば、情報の不一致を防げます。

口コミへの返信もGoogleビジネスプロフィールの運用として重要です。患者が投稿した口コミに対して丁寧に返信することで、クリニックの誠実な姿勢が伝わります。ただし、口コミへの返信で具体的な診療内容や患者個人を特定できる情報に言及することは、守秘義務の観点から避けなければなりません。「ご来院ありがとうございます。今後もより良い医療を提供できるよう努めてまいります」程度の返信が適切です。

ホームページとGoogleビジネスプロフィールの情報が一致していないと、Googleからの評価にも悪影響を及ぼす可能性があります。NAP情報(Name、Address、Phone number)の一貫性は、ローカルSEO(地域検索での上位表示)において重要な評価要素とされています。

クリニックのサイト運用は「院長がやるべきこと」と「外注すべきこと」を分ける

クリニックの院長は本業の診療に集中すべきであり、ホームページの技術的な保守に時間を割くべきではありません。しかし、すべてを外注すればよいわけでもありません。院長にしかできないこと、スタッフで対応できること、専門業者に任せるべきことを明確に分けることが、効率的な運用の鍵です。

担当 作業内容 頻度
院長 医療情報の監修、診療方針の決定、医師紹介文の確認 必要時
スタッフ 休診情報の連絡、写真撮影、ブログ記事の下書き 週1〜月1回
保守業者 WordPress更新、セキュリティ対策、デザイン修正、SEO対策 月1〜4回

よくある失敗パターンは、院長がすべてを自分でやろうとして挫折するか、すべてを制作会社に丸投げして高額な費用を請求されるかのどちらかです。院長が担う役割は「何を発信するかの意思決定」だけで十分です。それをホームページに反映する技術的な作業は、保守業者に任せるのが合理的です。休診情報の更新一つとっても、「LINEやメールで『〇月〇日休診にしてください』と連絡するだけ」で済む体制が理想です。(診療の合間にWordPressの管理画面と格闘する必要はありません)

最後に

クリニックのホームページは、患者との最初の接点であり、信頼を築くための重要な窓口です。診療時間の正確な表示、医師紹介の充実、医療広告ガイドラインへの準拠、スマートフォン対応、予約システムとの連携、WordPressの保守、Googleビジネスプロフィールとの情報一致。これらをすべて院長一人で管理するのは現実的ではありません。だからこそ、信頼できる運用保守のパートナーを持つことが大切です。

Web管理では、クリニックのホームページの保守・運用を月額1万円から代行しています。診療時間の更新、休診情報の即日反映、WordPress本体やプラグインのアップデート、セキュリティ対策まで、技術的な作業はすべてお任せいただけます。「今のサイトがガイドラインに違反していないか確認してほしい」「制作会社との保守契約を見直したい」といったご相談だけでも歓迎です。Webのことは丸投げして、先生は診療に集中してください。

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