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2026.03.24

HP管理を外注するメリット・デメリットと失敗しない委託先の選び方

ホームページの管理を外注すべきか、自社で続けるべきか。結論から言えば、専任のWeb担当者がいない中小企業は外注したほうが合理的です。ただし、外注先の選び方を間違えると「毎月お金を払っているのに何もしてくれない」という状態に陥ります。弊社にも「前の保守会社が何をやっているか分からない」という相談が頻繁に寄せられます。この記事では、HP管理の外注で得られるメリットとデメリットを正直に整理したうえで、失敗しない委託先の選び方を実務家の視点で解説します。

HP管理の外注で得られる5つのメリット

HP管理を外注する最大の利点は「本業に集中できること」です。しかし、それだけではありません。外注には、自社運用では得られない実務上の利点が複数あります。

社内にWeb担当者を置くコストが不要になる

HP管理のために正社員を1名雇うと、年間の人件費は最低でも300万〜400万円かかります。これにパソコンやソフトウェアの費用、研修費用を加えると、実質的な負担はさらに膨らみます。一方、HP管理の外注費は月額1万円〜5万円が相場です。年間で計算しても12万〜60万円。人件費の10分の1以下で、専門的な管理体制を手に入れられます。

「社内にいつでも聞ける人がいたほうが安心」という気持ちは理解できます。しかし実際には、Web担当として採用した社員が本当にWordPressのセキュリティやサーバー管理に詳しいかどうかは別問題です。(採用してみたら「HTMLが少し書ける」レベルだった、という話は珍しくありません)

セキュリティ対策の質が上がる

WordPressサイトへの攻撃は年々増加しています。IPA(情報処理推進機構)が公開している「情報セキュリティ10大脅威」では、Webサイトの改ざんやランサムウェア被害が毎年上位にランクインしています(出典 IPA 情報セキュリティ10大脅威 2025)。これらの脅威に対応するには、WordPress本体やプラグインのアップデート管理、WAF(Webアプリケーションファイアウォール)の設定、不正アクセスの監視といった専門的な作業が必要です。

HP管理の外注先がセキュリティの専門知識を持っていれば、脆弱性の発見からパッチ適用までのタイムラグを最小限に抑えられます。自社の社員がセキュリティ情報を毎日チェックして即座に対応する体制を作るのは、現実的ではありません。

トラブル発生時に即座に対応してもらえる

「サイトが突然表示されなくなった」「問い合わせフォームが動かない」「ページが改ざんされた」。こうしたトラブルは、予告なしに発生します。HP管理を外注していれば、連絡一本で専門家に対応を任せられます。自社運用の場合、まず原因を特定するところから始めなければなりません。サーバーの問題なのか、WordPressの問題なのか、プラグインの競合なのか。原因の切り分けだけで半日かかることも珍しくありません。

弊社の実績では、サイトダウンの連絡を受けてから復旧までの平均時間は2〜4時間です。バックアップを適切に取得していれば、最悪の場合でも前日の状態に戻せます。(バックアップを取っていなかった場合は、復旧ではなく「作り直し」になります。そうなると数十万円の追加費用が発生します)

サイトの品質が段階的に改善される

HP管理を外注するメリットは「現状維持」だけではありません。運用保守の専門会社であれば、アクセス解析に基づいた改善提案も受けられます。「問い合わせページへの導線が弱い」「スマートフォンでの表示が崩れている」「ページの読み込みが遅い」。こうした課題は、毎日サイトを触っている運用担当者だからこそ気づけるものです。

Googleが公開しているCore Web Vitals(表示速度やユーザー体験の指標)の改善も、外注先に任せられる業務の一つです(出典 Google検索セントラル Core Web Vitals)。ページの表示速度はSEO(検索エンジン最適化)の評価要素であり、放置すると検索順位の低下につながります。

属人化のリスクがなくなる

自社の社員にHP管理を任せていると、その社員が退職した瞬間に運用が止まります。サーバーのログイン情報、FTPの接続先、WordPressの管理画面のURL、DNS(ドメインネームシステム)の設定情報。これらが退職した社員の頭の中にしかない、という状態は中小企業で頻繁に起こります。(弊社に相談に来る企業の約2割がこのパターンです)

外注先に管理を任せていれば、サーバーやドメインの情報は外注先がドキュメント化して管理します。担当者が変わっても引き継ぎが成立するため、属人化のリスクがゼロになります。

HP管理を外注するデメリットと対策

外注にはメリットが多い一方で、見落としがちなデメリットもあります。事前にリスクを把握しておけば、対策は可能です。

社内にWebの知見が蓄積されない

HP管理を丸ごと外注すると、社内にWebに関する知識やノウハウが残りません。「何を依頼すればいいのか分からない」「外注先の提案が妥当かどうか判断できない」という状態になるリスクがあります。

対策としては、月次レポートの提出を外注先に求めることが有効です。「今月はどんな作業をしたのか」「アクセス数はどう推移しているのか」「次月に必要な対応は何か」。こうした情報を毎月受け取ることで、経営者としてサイトの状態を把握できます。外注先に「全部お任せ」にするのではなく、「何をしているのか理解できる程度の情報は受け取る」というスタンスが重要です。

コミュニケーションコストが発生する

外注である以上、社内の人間に口頭で指示するようなスピード感は期待できません。修正依頼をメールで送り、内容を確認してもらい、見積もりが返ってきて、承認後に作業開始。この流れに最短でも1〜2営業日はかかります。「今すぐトップページの電話番号を変えたい」という緊急の依頼が、即日対応されないこともあり得ます。

対策としては、契約時に対応スピードのSLA(サービスレベル合意)を確認しておくことです。「通常依頼は何営業日以内に対応か」「緊急対応は可能か」「緊急時の追加費用はいくらか」。これらを事前に合意しておけば、「想定外に遅い」という不満は防げます。

外注先の倒産・廃業リスクがある

HP管理を外注している会社が廃業すると、突然サイトの管理者が不在になります。特にサーバーやドメインの契約名義が外注先になっている場合、最悪のケースでは自社サイトにアクセスできなくなります。

対策は明確です。サーバーとドメインの契約名義は必ず自社にしてください。管理画面のログイン情報も自社で保管しておくこと。外注先には「管理権限」を付与するが、「所有権」は渡さない。この原則を守っていれば、万が一外注先が廃業しても、別の業者にスムーズに切り替えられます。

HP管理の外注費用の相場と内訳

HP管理の外注費用は、月額5,000円〜10万円と幅があります。金額の差は「何をどこまで対応してくれるか」の違いです。相場を把握しておかなければ、高すぎる契約を結んでしまうか、安すぎて何もしてもらえないかのどちらかに陥ります。

月額費用 対応範囲の目安 向いている企業
5,000円〜1万円 サーバー・ドメイン管理、WordPress本体の更新、定期バックアップ 最低限の保守で十分な企業
1万円〜3万円 上記に加えて、軽微な修正対応、プラグイン更新、不具合対応、セキュリティ監視 自社にWeb担当者がいない中小企業
3万円〜5万円 上記に加えて、コンテンツ更新代行、アクセス解析レポート、改善提案 サイトからの集客・問い合わせを重視する企業
5万円〜10万円 上記に加えて、SEO対策、広告運用サポート、大規模な修正対応 Webを営業の主力チャネルにしている企業

弊社(webkanri.jp)では月額1万円からのベーシック運用プランを提供しています。サーバー・ドメイン管理、不具合対応、軽微な修正、WordPressの操作サポートを含む内容で、他社で制作されたサイトにも対応しています。

安すぎる保守契約には理由がある

月額3,000円や5,000円の保守プランを提供している会社もあります。その中身を確認すると、「WordPressとプラグインの自動更新を有効にしているだけ」というケースが少なくありません。自動更新はWordPressの管理画面から誰でも設定できる機能であり、それだけなら保守とは呼べません。

さらに注意すべきは、安い保守契約が「制作費の分割払い」を含んでいるパターンです。「初期費用0円、月額5,000円」と書いてあるが、実態は制作費60万円を120回分割しているだけ。しかも途中解約すると残額を一括請求される。こうした契約はHP管理の外注とは別物です。契約書の内容を必ず確認してください。

見積もりで確認すべき項目

HP管理の外注先に見積もりを依頼する際は、以下の項目を明確にしてください。曖昧なまま契約すると「それは対応範囲外です」と言われるトラブルの原因になります。

  • 月額費用に含まれる作業範囲(修正対応の回数や時間の上限)
  • WordPress本体・プラグイン・テーマのアップデート対応の有無
  • バックアップの取得頻度と保存期間
  • セキュリティ監視・不正アクセス対策の内容
  • 障害発生時の対応スピード(何時間以内に着手するか)
  • 月額費用を超える作業が発生した場合の追加料金
  • 最低契約期間と解約時の条件
  • サーバー・ドメインの契約名義がどちらになるか

失敗しない外注先の選び方

HP管理の外注先を選ぶ基準は「安いかどうか」ではなく、「何をしてくれるかが明確かどうか」です。実際の保守現場で見てきた失敗パターンをもとに、外注先を選ぶ際のチェックポイントを解説します。

制作会社と運用保守専門会社の違いを理解する

HP管理の外注先は、大きく分けて「制作会社」と「運用保守専門会社」の2種類があります。どちらに依頼するかで、対応の質と範囲が大きく変わります。

比較項目 制作会社 運用保守専門会社
主な収益源 新規サイトの制作費 月額の保守・運用費
保守への姿勢 制作の「おまけ」として提供 保守・運用が主業務
対応スピード 新規案件が優先されがち 既存クライアントの対応が本業
他社制作サイト 対応不可の場合が多い 対応可能な場合が多い
費用 月額3万〜10万円が多い 月額1万〜5万円が多い

制作会社にとって保守は「作った後の面倒」であり、利益率の高い新規制作を優先するのは当然のビジネス判断です。一方、運用保守専門会社は保守こそが本業なので、対応の優先順位が逆転します。(もちろん、保守を丁寧にやる制作会社も存在します。ただし数は多くありません)

契約前に確認すべき5つの質問

外注先を選定する際に、以下の質問を投げかけてみてください。回答の内容と速度で、その会社の実力が分かります。

  • 「WordPressのメジャーアップデートが公開された場合、どのタイミングで適用しますか」 ── 即日適用する会社は危険。検証期間を設けると答える会社が信頼できる
  • 「バックアップはどこに、何世代分保存していますか」 ── サーバー内にしか保存していない場合、サーバー障害時にバックアップごと失われる
  • 「サイトが改ざんされた場合、復旧までの想定時間を教えてください」 ── 具体的な時間を答えられない会社は、実際の復旧経験がない可能性が高い
  • 「月額費用内で対応できる修正の範囲を具体的に教えてください」 ── 「軽微な修正」の定義が曖昧な会社は、後からトラブルになりやすい
  • 「契約終了時に、サーバー・ドメインの管理権限は返却されますか」 ── 返却を渋る会社とは契約すべきではない

「何でもできます」という会社は避ける

「制作もSEOも広告もSNSも全部対応できます」と言う会社には注意が必要です。HP管理に必要な技術と、広告運用やSNSマーケティングに必要な技術はまったく別物です。すべてを高品質に提供できる会社は大手の総合代理店くらいであり、月額数万円の予算で「全部対応」は現実的ではありません。

HP管理の外注先に求めるべきは、WordPress保守、サーバー管理、セキュリティ対策という「守り」の技術です。攻めの施策(SEO、広告、コンテンツマーケティング)は、守りの基盤が整ってから別途検討すれば十分です。

自社運用と外注を比較する判断基準

すべての企業がHP管理を外注すべきというわけではありません。自社運用が合理的なケースもあります。どちらが自社に適しているかは、以下の判断基準で検討してください。

判断基準 自社運用が向いている 外注が向いている
Web担当者の有無 WordPress・サーバーに詳しい社員がいる 専任のWeb担当者がいない
更新頻度 毎日更新する(ECサイト、メディアサイトなど) 月に数回程度の更新
予算 Web担当者の人件費を許容できる 月1万〜5万円で管理したい
サイトの重要度 サイト停止が即座に売上に影響する 名刺代わりのコーポレートサイト
セキュリティ要件 社内にセキュリティポリシーがあり運用できている セキュリティ対策が何も行われていない

実際の保守現場では、「自社運用していたが手が回らなくなった」というタイミングで外注に切り替える企業が最も多いです。最初から外注する必要はありませんが、「更新が3ヶ月以上止まっている」「WordPressのバージョンが2世代以上古い」「SSL証明書の期限が切れていた」といった兆候が出たら、外注を検討すべきサインです。

外注先との契約で注意すべきポイント

外注先が決まったら、契約内容を慎重に確認してください。口約束やメールのやり取りだけで業務を開始すると、後からトラブルになります。

契約書に明記すべき項目

  • 業務範囲の具体的な記載(「保守全般」ではなく、個別の作業項目を列挙する)
  • 月額費用と追加費用の発生条件
  • 対応時間(平日のみか、土日祝も対応か)
  • 障害時の対応フロー(連絡先、対応開始までの時間)
  • 契約期間と更新条件(自動更新の有無)
  • 解約条件(何ヶ月前に通知が必要か、違約金の有無)
  • 秘密保持条項(サイトの管理情報は機密性が高い)
  • 契約終了時の引き継ぎ条件(データの返却、権限の移譲)

総務省が公開している「クラウドサービス利用のための情報セキュリティマネジメントガイドライン」では、外部サービスを利用する際に契約で取り決めるべき事項が整理されています(出典 総務省 サイバーセキュリティ関連施策)。HP管理の外注契約でも、情報セキュリティの観点を含めた契約内容にすることが望ましいです。

解約時に揉めないための事前準備

HP管理の外注契約で最もトラブルになりやすいのが、解約時です。「サーバーの管理情報を教えてもらえない」「ドメインの移管に応じてもらえない」「解約したら急にサイトが表示されなくなった」。こうしたトラブルは、契約開始時に権限の所在を明確にしていなかったことが原因です。

繰り返しになりますが、サーバーとドメインの契約名義は必ず自社にしてください。外注先にはWordPressの管理者権限やサーバーのFTPアカウントを付与しますが、契約の所有者は自社であるべきです。これさえ守っておけば、外注先を変更する際にも最小限の手間で移行できます。

HP管理の外注を成功させる運用のコツ

外注先を選んで契約を結んだら終わりではありません。外注を「使いこなす」ための運用のコツがあります。

依頼内容を具体的に伝える

「いい感じにしてください」という依頼は、外注先を困らせるだけです。修正依頼をする際は、以下の情報を含めてください。

  • 対象ページのURL
  • 修正箇所の具体的な説明(スクリーンショットがあると確実)
  • 修正後のイメージ(テキスト変更なら修正後の文言、レイアウト変更なら参考サイトのURL)
  • 希望納期

「トップページの画像を差し替えてほしい」ではなく、「トップページのメインビジュアル(ファーストビューのスライダー1枚目)を、添付の画像に差し替えてほしい。テキストはそのまま。今週金曜日までに対応希望」と伝える。この差が、外注先の作業効率と成果物の品質を大きく左右します。

月次レポートを活用して改善サイクルを回す

HP管理の外注先から月次レポートが届いたら、必ず目を通してください。「アクセス数が先月比で20%減った」「特定のページの直帰率が90%を超えている」「お問い合わせフォームの送信数がゼロ」。こうした数字は、事業上の課題に直結していることがあります。

レポートを受け取るだけでなく、疑問に感じた点は外注先に質問しましょう。「なぜアクセスが減ったのか」「どうすれば改善できるか」。こうした対話の積み重ねが、サイトの品質向上につながります。(レポートを送っても一度も返信がないクライアントは意外と多いのですが、非常にもったいないです)

年に一度は契約内容を見直す

事業の規模や方向性は年々変わります。サイトのアクセス数が増えれば必要なサーバースペックも変わりますし、ECサイトを追加すればセキュリティ要件も変わります。契約開始時のプランが1年後も最適とは限りません。年に一度は外注先と打ち合わせの場を設けて、現在のプランが自社の状況に合っているかを確認してください。

最後に

HP管理の外注は、正しく活用すれば中小企業にとって非常に合理的な選択です。月額1万円〜の費用で、セキュリティ対策、障害対応、定期的なアップデートといった専門的な管理体制を手に入れられます。ただし、外注先の選定を間違えると「何をしているか分からないまま毎月お金を払い続ける」という最悪の状態に陥ります。

失敗しないためのポイントは3つ。対応範囲が明確であること。サーバー・ドメインの契約名義が自社であること。契約終了時の引き継ぎ条件が合意されていること。この3点を押さえていれば、外注先を変更する事態になっても大きな損失は避けられます。

弊社(webkanri.jp)では、月額1万円からのHP運用保守サービスを提供しています。他社で制作されたWordPressサイトにも対応しており、サーバー・ドメインの契約名義はすべてお客様名義のまま管理します。「今の保守契約が適正なのか分からない」「制作会社と連絡が取れなくなった」という方は、お気軽にご相談ください。

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